駐カナダ中国大使The Globe and Mail 紙に12月13日付で投稿した。
タイトルは、"On China, has Canada lost its sense of justice?"
概要:
Huaweiは、グローバルな事業は現地の法や規制に厳格に従っていることを公的に何度も表明している。しかし、Five Eyes countries (米、英、豪、NZ、加)の諸国は、何の証拠もなく、Huaweiが彼らの国家の安全を脅かす存在であると非難している。そのような推測をもとに、恐怖の種を撒き、国民をミスリードしている。
5カ国の諜報機関(Five Eyes:アメリカ国家安全保障局、英政府通信本部、カナダ通信保安局、豪 参謀本部国防信号局、NZ 政府通信保安局)はUKUSA協定を結び、世界中に張り巡らせたSIGINTの設備や盗聴情報を相互利用・共同利用する為に協定を結んでいる。
もしHuaweiの通信機器がセキュリティー上のリスクになるというのであれば、西側のメーカーの通信機器も、同じ科学と技術を使用しているため、同様である。
しかし米国は、2017年6月28日に中国で施行された「国家情報法」を懸念する。この第7条は「いかなる組織及び個人も、国の情報活動に協力する義務を有する」と明記する。
誰が他国のセキュリティーにとっての最大脅威になっているかを知りたければ、アメリカのPRISM program(国家安全保障局が運営する極秘の通信監視プログラム)を調べてみればよい。中国のHuaweiを非難する人々は自分たちの姿を鏡でよく見るべきなのだ。
多くの人々が古い「冷戦思考」を持ち続けており、中国のことを「異常な国」だと信じ込んでいる、という事実に行き着く。彼らは中国が西洋諸国にあまりにも急速に追いついてしまい、経済だけでなく、科学やテクノロジーの面でもすぐに追い越すことを恐れている。だからこそ彼らは中国企業を取り締り、国家の安全という名の下に中国の発展を妨害するのだ。
中国が孟女史の逮捕の報復として拘束したと非難している人々は、まず最初にカナダ側がとった行動についてよく考えてみるべきだ。
中国国民はカナダに対して以前は好意的な印象をもっていたが、今回のカナダ政府の行動は、それを冷やした。
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報道官は「米国とカナダが引き続き法律と規則の遵守を主張していることに驚愕している」と述べ、「私の見解からすれば、これは他でもない新バージョンの帝国主義である。彼らがどれほどもったいぶった口実を使い、どれほど『合法的』な服で隠していたとしても、これは事実とは一切無関係であり、法律を軽視しており、これは国際社会に嘲笑されている」と指摘した。
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国際シンクタンク The International Crisis Groupは12月11日、同団体の上級顧問を務めるカナダの元外交官、Michael Kovrig氏が中国で拘束されたとの情報が入ったことを明らかにした。
カナダ外務省は12月13日、カナダ人実業家 Michael Spavor氏が中国の国家安全保障に脅威を与えた疑いで中国当局に拘束されたことを認めた。
付記 カナダ外務省は12月28日、3人目のカナダ人女性が中国で釈放され、カナダに帰国したと明らかにした。中国で英語を教えていたが、不法就労の疑いがあるとして中国当局に拘束された。
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