米政府機関 一部閉鎖の恐れ

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米国では2019会計年度(18年10月~19年9月)の一部予算が通っておらず、つなぎ予算が12月21日までとなっている。

2019会計年度(2018年10月~2019年9月)の米連邦予算の法案が9月28日にトランプ大統領が署名し、成立した。

トランプ大統領がメキシコとの間の壁の建設費用を認めない場合に政府を閉鎖するとの脅しを続ける中、国防省等については正式予算、メキシコとの間の壁の建設を担当する国土安全保障省等については12月7日までの「つなぎ予算」とする異例の形となった。

当初のつなぎ予算期限の12月7日、トランプ米大統領は12月21日までの歳出を可能にする「つなぎ予算」に署名し、成立した。両院が前日に議決していた。

ブッシュ元大統領の死去(11/30)を受けて国境の壁の議論を先送りした。

問題は「国境の壁」建設費用で、トランプ大統領は、壁建設費50億ドルの歳出予算を盛り込むことを求めているが、上院民主党はかねてから、国境の壁建設予算16億ドルなら支持する方針である。

今回も決着せず、上院は12月19日、2019年2月8日までの「つなぎ予算」を可決した。国境の壁建設費用は含んでいない。

これに対し、トランプ米大統領は12月20日、与党・共和党幹部に対し、「国境の壁」建設費用が計上されていない予算案に署名しない方針を伝えた。

これを受け、下院は同日、「国境の壁」費用として57億ドルを盛り込んだ2019年2月8日までのつなぎ予算を217対185で可決した。与党共和党から8人が反対に廻った。

しかし、これが上院で通るメドは立っていない。可決には60票が必要で、現在は共和党議員は51名で、可決には民主党の賛成票が欠かせない。


21日までに予算が成立しなければ、一部の政府機関が閉鎖するリスクがある。

国境警備を担う国土安全保障省や国務省、商務省などの予算が一時的に失効する。航空管制や入国審査、沿岸警備、司法捜査など国家運営に関わる業務は、職員が一時的に無給で勤務を続ける。国立公園は閉鎖される可能性がある。

付記

米議会上院の与野党は12月21日午後8時30分に、新たなつなぎ予算案を可決することなく22日正午まで休会に入った。

国土安全保障省、司法省、住宅都市開発省など、連邦政府の約4分の1にあたる機関では午前0時に予算が失効した。

ただ、上院は休会前に、一時帰休となる連邦政府職員への給与を保証する法案を通過させた。可決は全会一致だったが、下院でも可決する必要がある。

上院共和党は、下院が議決した「国境の壁」費用として57億ドルを盛り込んだ2019年2月8日までのつなぎ予算を通そうとしたが、民主党は壁の予算は一切認めないとし た。

閉鎖がいつまで続くか不明で、トランプ大統領は"for a very long time" と述べた。

上院は22日午後に審議を再開したが予算成立の見込みが乏しいため、クリスマス後の27日午後に審議を再開することを決めた。下院も与野党が予算案で合意するまで審議しない方針を決めた。

付記 トランプ大統領は12月24日、ツイッターで ぼやいた。

I am all alone (poor me) in the White House waiting for the Democrats to come back and make a deal on desperately needed Border Security.

At some point the Democrats not wanting to make a deal will cost our Country more money than the Border Wall we are all talking about. Crazy!

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