原子力規制委員会、高浜原発に「警報ない津波」の影響評価を要求

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原子力規制委員会は1月16日、関西電力高浜原発について、津波警報が発表されない津波に襲われる場合の施設への影響を評価し、報告を求めることを決めた。

2018年12月22日、インドネシアのスンダ海峡にある火山島のアナク・クラカタウの噴火に伴い津波が発生した。

津波の高さは数m程度、津波の原因は、火山噴火の山体崩壊により大量の土砂の塊が海に滑り落ちたことによるものと考えられる。日本の地球観測衛星「だいち2号」の衛星画像でみると、山の南西部が大きく消失している。

沿岸地域で数百人の死者があった。津波警報は発表されていなかった。


同島は、1883年の巨大噴火で形成されたクラタカウ・カルデラ北東縁に形成した新しい火山島であり、当該噴火による山体崩壊により大津波が発生、沿岸地域で3万人以上の死者があった。


津波の規模の割には被害が大きい要因としては、津波警報が発表されずに津波が来襲したことにもあると考えられる。

これを受け、原子力規制委員会では、新規制基準における「地震以外の要因による津波」の取扱い、津波警報が発表されない可能性がある津波への対応について報告した。

新規制基準の考え方では、基準津波に対して地上部、水路、地下部等から敷地への遡上・流入を防止することを要求しており、津波警報が発表されずに敷地に到達する津波であっても基本的に原子炉施設の安全機能が損なわれることはない。

高浜原発は3号機、4号機が安全審査に合格し、再稼働している。
東海第2については、規制委員会は2018年9月26 日に「審査書」を了承、2018年
11月7日に運転期間の延長を認可した。再稼働には、安全対策工事と地元の合意が必要。

ただし、日本原子力発電東海第二原発及び関西電力高浜原発では、設計に該当する運用として、津波警報が発表された後、常時開いている放水路又は取水路のゲートを閉止することにより津波の敷地への遡上・流入を防止している。

このうち、東海第二では放水路ゲートが開いた状態であっても敷地へ遡上・流入する可能性は無い。

しかし、高浜原発では、約100キロ沖合の「隠岐トラフ海底地すべり」が単独で発生した津波の場合は、津波警報が発表されずに津波が敷地に到達する可能性があるが、取水路防潮ゲートが開いた状態における津波高さ、遡上域及び津波防護の評価は行われていない。

このため、高浜原発について、津波警報が発表されない可能性がある「隠岐トラフ海底地すべり」による津波について、取水路防潮ゲートが開状態での遡上評価、津波による海水ポンプ等の重要な設備への影響等を確認する。

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