富士フイルム和光純薬、アイエスジャパンを統合

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富士フイルムは1月24日、細胞培養に必要な培地のビジネス拡大に向けて事業体制をより強化するため、2019年4月1日付で富士フイルム和光純薬にアイエスジャパンを統合すると発表した。

研究開発・製造・販売機能の一体化による機能強化などを図り、培地の事業成長を加速させる。

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富士フィルム和光純薬は、試薬、化成品ならびに臨床検査薬の製造・販売を行っている。

富士フィルムは2016年12月15日、武田薬品から和光純薬工業を買収する契約を締結した。富士フィルムが2017年2月にTOBを実施 し、武田薬品が応じた。

2016/12/22 富士フィルム、和光純薬を買収

和光純薬は2018年4月1日付で、富士フィルムファインケミカルズと統合し、富士フィルム和光純薬に改称した。

富士フィルムファインケミカルズは旧称三協化学で、写真用原料メーカーで1990年代に医薬品製品に進出した。
富士フィルムは 1971年に40%出資し、2006年にこれを100%子会社とし、富士フイルムファインケミカルズに改称した。

アイエスジャパンは、細胞培養に必要な培地のリーディングカンパニーで、米国のIrvine Scientific Sales CompanyとともにJXTGの100%子会社であったが、富士フイルムは2018年3月29日、両社の全株式を約800百万米ドルで取得する契約を締結した。

培地は、細胞の生育・増殖のための栄養分を含んだ液状や粉末の物質で、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発や製造における細胞培養に必要不可欠なもの。また、培地の品質によって細胞培養の品質や効率が左右されるといわれており、近年、培地に対する注目がますます高まっている。

Irvine Scientific Sales Companyと、アイエスジャパンは、バイオ医薬品製造向けの培地や体外受精・細胞治療用途の培地などを幅広く取り扱う、培地のリーディングカンパニーで 、前者が欧米、後者が日本・アジアを中心に販売展開し、全世界の製薬企業やバイオベンチャー、アカデミアなどに培地を提供している。

1987年にJXエネルギーが将来的なバイオ医薬品市場の成長に伴う培地市場の拡大を期待し、Irvine Scientific Sales Companyの株式を取得するとともに、1989年に日本での同社製品の販売会社アイエスジャパンを設立した。

(Irvine Scientific Sales Companyは FUJIFILM Irvine Scientific に改称した。アイエスは現在、開発・生産の機能も兼ね備えている。)

富士フイルムは、両社の買収により、バイオ医薬品から体外受精・細胞治療の領域にわたり幅広い製品ラインアップをそろえることができるとともに、海外展開も強化することができ る。
また、写真フィルムで培った高度な化学合成力・設計力、グループのジャパン・ティッシュ・エンジニリアングやCellular Dynamics International、FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesが持つ、細胞の作製・培養技術などを活かして、競争力の高い培地の開発を加速させ、培地事業のさらなる成長を図ってい くとしている。

  

今回、富士フイルム和光純薬にアイエスジャパンを統合し、研究開発・製造・販売機能を一体化させることで、各機能の強化と効率的なオペレーションを実現 する。

研究開発・製造面では、両社が持つ培地の開発ノウハウ・製造技術などを融合し、研究開発のスピードアップや生産効率のさらなる向上を図る。

販売面では、富士フイルム和光純薬が持つ、強固な国内販売網や幅広い細胞培養関連試薬ラインアップなどを活かして、より一層の増販を進める。

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