1月の会合後の記者会見でパウエル氏は資産縮小計画に関し「想定よりも早く終了する。終了時期は未定だが、今後のFOMCで決定する」とだけ表明していた。
付記
米連邦準備理事会(FRB)は3月20日の米連邦公開市場委員会で先行きの政策シナリオを協議した。
「量的引き締め」は2019年9月末で停止すると決めた。2019年の想定利上げ回数をゼロに引き下げた。
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FRBは2014年11月には債券買い入れをゼロとしたが、満期のきた債券については同額を買入し、残高は維持してきた。
しかし、FRBは2017年9月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2008年の金融危機後の量的緩和政策を完全に終結し、大幅に膨らんだ保有資産の縮小を始めると決めた。
FRBは10月から償還の時期が来た国債などを再び買い入れる額を少しずつ減らし、年内の3か月は1か月当たり100億ドル(米国債が60億ドル、住宅ローン担保証券が40億ドル)を上限に資産規模を縮小する。
その後は3か月ごとに買い入れ額を減らし、1年後には1か月当たり500億ドル(米国債が300億ドル、住宅ローン担保証券が200億ドル)を上限に資産規模を縮小していく。資産縮小は年6000億ドルとなる。
但し、償還期限がきた分をそのまま償還すると、市場に出回るドルが減少し、FF金利アップと合わせ、長期金利がアップし、経済に影響を与える。
このため、FRBは10月から償還の時期が来た国債などを再び買い入れる額を少しずつ減らすこととした。
2017/9/23 米連邦準備理事会、資産縮小開始を決定
その後、下記の通り縮小してきた。(各月 億ドル )
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これまで、米連邦準備理事会は、2019年1月以降、毎月500億ドルのオートパイロット(自動操縦)形式で進め、現在の4兆ドルが2.5~3.0兆ドルの水準になるまで淡々と圧縮するとしていた。 終了時期は2021年から2022年にかけてと示唆していた。
今回、FOMCは産買入の縮小停止時期を2019年後半と明示した。オートパイロット方式の採用によって、FRBは柔軟性を欠き、何があっても既定路線を変更しないものだと市場参加者に思い込ませてしまった可能性について、メンバーらが反省を込めて議論した形跡がある。
大量の「緩和マネー」を市場に残したまま資産縮小は終結することになる。
米連邦準備理事会(FRB)は2019年1月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。2019年中に2回を見込んでいた追加利上げを棚上げする考えを示した。
2008/10 2.00%→1.00% 2008/12 1.00%→0.00% ↓ 0.00% 2015/12 0.00%→0.25% 2016/12 0.25%→0.50% 2017/3 0.50%→0.75% 2017/6 0.75%→1.00% 2017/12 1.00%→1.25% 2018/3 1.25%→1.50% 2018/6 1.50%→1.75% 2018/9 1.75%→2.00% 2018/12 2.00%→2.25%
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