米連邦準備理事会(FRB)は1月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。
声明文には「政策金利の調整を様子見する」と盛り込み、2019年中に2回を見込んでいた追加利上げを棚上げする考えを示した。
FRB2018年12月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3カ月ぶりの利上げ(利上げ幅は0.25%)を決めた。
2019年の想定ペースを従来の3回から2回に引き下げ、2020年までに利上げを停止する考えも示唆した。
2008/10 2.00%→1.00% 2008/12 1.00%→0.00% ↓ 0.00% 2015/12 0.00%→0.25% 2016/12 0.25%→0.50% 2017/3 0.50%→0.75% 2017/6 0.75%→1.00% 2017/12 1.00%→1.25% 2018/3 1.25%→1.50% 2018/6 1.50%→1.75% 2018/9 1.75%→2.00% 2018/12 2.00%→2.25%
パウエル議長は1月30日、米連邦公開市場委員会の終了後に会見し、次のように述べた。
我々の目標は米国民の利益のために労働市場の強化と物価安定をもたらす経済成長を維持することだ。
米景気の状態は良好であ る。米経済は2018年よりも成長が鈍化しているものの、2019年も堅調なペースで拡大するとみている。
労働市場は強固な状態を維持し、失業率は歴史的低水準で賃金上昇率も堅調。
インフレ率は2%の目標水準近くで推移している。しかし、過去数カ月間にいくつかの逆風や我々の見通しに相反する景気のサインも散見される。
海外には経済成長の鈍化が目立ってきた主要国もある。とくに中国と欧州。
不透明感が高まっている問題もある。英国のEU離脱、貿易摩擦を巡る交渉、米国の政府機関の部分的閉鎖の問題。
2018年終わりには金融市場がかなりのレベルで逼迫し、2018年の初めまで享受した成長率を維持するのが難しくなった。
企業経営者や消費者の信頼感を示す指標は低下を示している。我々の金融政策はデータ次第であるということはいつも強調している。
逆風も垣間見られる局面での常識的リスク管理のやり方は、状況が明確に把握できるまでは様子見をすべきだということだ。加えて、金利を引き上げる必要性がやや低下したともいえる。インフレ率は低下し、先ごろの原油価格の下落によって、今後さらにインフレ率全体が下がることが予想される。金融市場の不均衡のリスクも低下している。
発表では、「世界経済と金融市場の動向、インフレ圧力が低い状況に照らして、将来のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導水準をどう調整するかを決定する際にFOMCは様子見をする」 とした。
従来の「いくらかのさらなる緩やかな利上げが、経済活動の安定的な拡大に見合う」との表現を削除。「政策金利の誘導目標をどう調整するか決めるに当たっては辛抱強くなるだろう」との文言を加えた。
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