農業用ドローンのナイルワークスは3月14日、総額約16億円の第三者割当増資を実施したと発表した。

同社は2017年10月に総額8億円の第三者割当増資を実施しており、創業以来の累計資金調達額は、約24億円となる。

ナイルワークスは、2015年1月に資本金4億8,770万円で設立された。事業内容は下記の通り。

・農薬散布用ドローン(マルチコプター)の企画製造販売
・生育管理用ドローン(マルチコプター)の企画製造販売
・その他、農薬用ドローン(マルチコプター)の企画製造販売

世界初のセンチメートル精度でドローンを完全自動飛行する技術開発に成功しており、本技術を搭載したドローンを作物上空3050cmの至近距離を飛行させることにより、薬剤の飛散量を大幅に抑えるだけでなく、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を散布する技術に取り組んでいる。

同社のホームページから:

特長 1 完全自動飛行。特別なスキルは不要!

事前に圃場の形を測量し、タブレットに登録するだけで、飛行経路が自動で設定されます。
散布時は、操作タブレットの「開始ボタン」を押すだけで、離陸・散布・着陸までを全て自動で行います。
12種類のセンサーによる位置制御で、±2㎝の水平位置精度と±5㎝の高度精度の自動飛行を実現しています。


特長 2 圃場全体を均質散布!

上下2枚のプロペラを逆回転させて作る真っ直ぐな気流と、作物上空30~50㎝の超低空飛行により、薬剤を作物の株元まで付着させます。
薬剤特質にあわせ、飛行の高さや散布幅が自動設定され、均質に散布できます。


特長 3 生育診断サービス!

搭載した生育調査用カメラで、高度30~50㎝の至近距離から、圃場データを取得し稲の生育状態の調査を開始しました。
一株単位でのより確度の高い収量予測や、精度の高い可変施肥、除草剤や殺菌剤のピンポイント散布の実用化に向けて、準備しています。


2018年夏には、全国各地で75回におよぶ実証実験で農作業の省力化を検証し、地域や水稲の品種ごとの生育データをもとに、診断技術の精緻化を行った。

また、VAIO ㈱(Sonyのパソコン事業 を買収した日本産業パートナーズが設立)を委託先とした量産化体制を住友商事と共に構築し、量産化モデル第一弾である新型機「Nile-T19」を、2019年6月より販売開始する。


三者割当の相手は下記の通り。

1回目(2017/10) 8億円 今回 約16億円
産業革新機構
住友化学
住友商事
クミアイ化学工業
全国農業協同組合連合会
農林中央金庫
INCJ(産業革新機構から新設分割)
住友化学
住友商事
クミアイ化学工業


未来創生 2号ファンド
Drone Fund 2号


未来創生2号ファンド はスパークス・グループが設立したもので、トヨタ自動車と三井住友銀行が1号ファンドに続き、当初の出資者として参画した。
1号ファンドの投資対象領域である「知能化技術」、「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」の3分野に加え、2号ファンドでは新たに「電動化」「新素材」を加えた5分野で世界の未公開ベンチャー企業を投資対象とする。

Drone Fundは、リクルート出身の投資家 千葉功太郎氏がドローン前提社会とエアモビリティ社会の実現を目指し、2017年6月に設立した。