英議会、EU離脱案で「人気投票」実施

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英議会下院は3月25日、メイ首相の案に代わる複数案への議員の支持動向を探る「人気投票」を3月27日に実施する議員動議を329対302の賛成多数で可決した。


EU残留を望む 保守党のSir Oliver Letwinが提案したもので、政府の離脱案と代替案を並べ、各議員に好む案に投票させる「示唆的投票」を実施する。

3人の閣僚が賛成票を投じ、閣僚を辞任した。

この投票前に、首相は協定案への賛成票が不足していることを認めていた。

議員 議長他
不投票
投票権者 賛成 反対 棄権
保守党 314 2 312 30 281 1
民主統一党 10   10 10
(与党) (324)   (322) (30) (291) (1)
労働党 245 2 243 232 8 3
スコットランド国民党 35   35 34 1
自由民主党 11   11 11
独立党 11   11 6 3 2
独立グループ 11   11 11
シン・フェイン党 7   7 7
プライド・カムリ 4   4 4
緑の党 1   1 1
合計(欠員 1) 649 4 645 329 302 14


メイ首相から、議会が主導権を奪うのが狙いで、「よりEUとの関係が近い離脱」や「2回目の国民投票」が有力な選択肢になる可能性がある。一方、EUからの明確な離脱を目指す強硬離脱派の一部は「合意なき離脱」を推す公算が大きい。

政府は投票結果には縛られず、メイ首相は「どんな投票結果でも政府が実現するとは約束できない」とけん制した。

しかし、メイ首相が今週中に離脱案を可決できない場合、4月12日までに英国の方針を示すことを課されており、その段階で示唆的投票の結果が重要な参考材料になる可能性がある。

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欧州委員会は3月25日、「英国が4月12日に『合意なき離脱』をする可能性は次第に高まっている」と声明で指摘するとともに、英国の合意なき離脱を想定したEU側の準備が「完了した」と発表した。

http://europa.eu/rapid/press-release_IP-19-1813_en.htm

各加盟国当局のほか、市民や企業にも準備を進めるよう促した。

欧州委によると、EU側はこれまでに「合意なき離脱」に必要な対処を定めた19件の法案を提出し、このうち17件がほぼ立法措置を終え、残る2件も近く処理される見通し。

立法措置には航空、鉄道・道路などの運輸部門のほか、EUに暮らす英国市民の居住権について、英国が同様の措置をとることも条件に一定期間、現状維持を認める内容も含まれる。



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