これまで金融政策の先行き指針として、現在0%の主要政策金利などの水準を「少なくとも2019年夏まで」維持するとしていた が、今回、「少なくとも年末まで」と表現を変え、利上げは早くても2020年以降と明確にした。
ドラギ総裁は、「景気減速が物価の回復を遅らせている」とし、金融緩和を続けて景気を下支えする。
記者会見で「われわれは、脆弱性が継続し、不確実性がまん延する時期にいる」と指摘し、保護主義、Brexitの先行き不透明性のほか、新興国市場の脆弱性などの外部要因について言及した。
同日公表したユーロ圏の新しい経済見通しでは2019年の成長率を前回(2018年12月)の1.7%から1.1%、消費者物価上昇率を1.6%から1.2%にそれぞれ下方修正した。
ユーロ圏のCPIは量的緩和終了を判断した直前の2018年10月は前年比+2.3%であったが、その後低下している。
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2018/9/22 欧州中銀、債券買い入れを年末で終了の付記
ECBは昨年末に量的緩和政策を終了したが、早くも緩和縮小路線の修正を迫られた。
米連邦準備理事会(FRB)も1月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。声明文には「政策金利の調整を様子見する」と盛り込み、2019年中に2回を見込んでいた追加利上げを棚上げする考えを示した。
2019/2/2 米連邦準備理事会(FRB)、追加利上げを見送り
世界の主要中銀が景気減速への警戒で足並みをそろえつつある。
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ECBは同日、貸し渋りの抑制に向け銀行への新たな資金供給策の導入も決めた。
2019年9月に新たな資金供給制度(TLTRO3)を開始する。
TLTRO (Targeted Long Term Refinance Operation)とは、ECBが貸出実績に応じて銀行に直接資金を供給するもの。低水準の固定金利で資金を貸し出す。
ECBは、インターバンク市場の機能不全とイタリアやスペインへの債務危機の飛び火が懸念された2011年末に3年物LTRO (Term Refinance Operation) を実施したが、2回総額で1兆ユーロ超もの巨額の資金を供給した。
2013年に前倒し償還が始まったこともあり、2014年9月に新たに1回目のTLTRO(TLTRO1)、2016年に2回目のTLTRO(TLTRO2)を実施しており、今回がTLTROとしては 3回目(TLTRO3)となる。2016年のTLTRO2では7200億ユーロを銀行に貸し出した。2020年6月以降に4年の満期を迎えるため、イタリアなどの銀行の資金繰りに不安が生じないようにする狙いもある。
今回は2021年3月までの期間限定で償還期限2年の低利資金を銀行に供給する。金利は満期までリファイナンスオペの最低応札金利に連動する。
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