英下院は3月14日、前々日の「離脱合意案」の否決、前日の「合意なき離脱拒否」の可決(「合意なき離脱」の否決)を受け、最後の「離脱延期」の採決を行った。
英政府の議案は、次の通り。
英議会が3月20日(EU首脳会議の前日)までに英国とEUがまとめた離脱案を承認した場合、6月30日での一時的延長をEUに申し出る。この期間を離脱案を具体化する関連法案成立の作業に充てる。
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3月20日までに承認が得られない場合は、「EU側から延期の明確な理由や期間が求められる。また、延期期間が6月30日を越える場合は、5月に行われる欧州議会選挙に英国が参加を求められる。」
トゥスクEU大統領(常任議長)の報道官は、英政府から離脱延期の要請があればEUは検討するが、「離脱延期とその期間には信頼できる理由」が必要だと語った。
欧州議会選挙は5月23日~26日に行われる。新たな欧州議会が開会する7月2日以降も英国がEUにとどまる場合、英国は欧州議会選挙を実施する必要がある。
メイ首相は3月13日の採決後に、「数日以内に議会で打開策を見いだせなければ、延期期間は長期になるだろう」と述べた。
下院は、英議会が3月20日(EU首脳会議の前日)までに英国とEUがまとめた離脱案を承認した場合、6月30日での一時的延長をEUに申し出る との首相の提案を賛成413、反対202で可決した。
政府は「3月20日までにEU離脱協定が議会承認されれば、6月30日までの延期を求める」とした上で、「20日までに議会承認されなければ、より長い延期を求めることになる」としている。この場合、欧州議会選挙を実施することとなる。
メイ首相は来週、これまで2度否決されているEU離脱協定を改めて採決にかけ、引き続き協定の議会承認を模索する。
ただ合意案承認は見通せず、歴史的なEU離脱を巡る英国内の混乱や不透明な情勢は続く。
投票結果は下記の通り。(速報分を修正)
担当閣僚であるバークレイ離脱担当相やフォックス国際貿易相、ウィリアムソン国防相ら閣僚の多くも反対票を入れたほか、保守党内の最高幹部レッドソム下院院内総務(閣僚級)も反対した。
議員 | 議長他 不投票 |
投票権者 | 賛成 | 反対 | 棄権 | |
保守党 | 314 | 2 | 312 | 112 | 188 | 12 |
民主統一党 | 10 | 10 | 10 | |||
(与党) | (324) | (322) | (112) | (198) | (12) | |
労働党 | 245 | 2 | 243 | 236 | 3 | 4 |
スコットランド国民党 | 35 | 35 | 35 | |||
自由民主党 | 11 | 11 | 11 | |||
独立党 | 11 | 11 | 5 | 1 | 5 | |
独立グループ | 11 | 11 | 9 | 2 | ||
シン・フェイン党 | 7 | 7 | 7 | |||
プライド・カムリ | 4 | 4 | 4 | |||
緑の党 | 1 | 1 | 1 | |||
合計(欠員 1) | 649 | 4 | 645 | 413 | 202 | 30 |
付記 今後の可能性は次の通り。
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