英国のメイ首相の計画に障害、下院議長が離脱案再採決を認めず

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英下院は3月14日、議会が3月20日(EU首脳会議の前日)までに英国とEUがまとめた離脱案を承認した場合、6月30日までの一時的延長をEUに申し出る との首相の提案を賛成413、反対202で可決した。

メイ首相は3月19日か20日に、これまで2度否決されているEU離脱協定を改めて採決にかけ るとしている。


議会下院(定数650)は1月15日午後8時半すぎ、Brexit について英政府がEUとまとめた離脱条件の協定の承認採決を行い、432対202の大差でこれを否決した。

下院は3月12日夜、英政府がEUとの間で前日にまとめた離脱条件の協定 (英国がEUのルールに縛られ続けないとする条項を1月に英議会が否決した離脱案に追加し、法的拘束力を持たせた) の承認採決を行い、賛成 242、反対 391の大差でこれを否決した。

EUは再交渉を認めないし、時間がないため、3月12日に否決された議案を再度提出する予定である。


しかし、ぎりぎりの時点で下院議長が問題を指摘した。1604年に遡る慣例法で、同一会期中に、否決されたのと同じ議案、又は実質的に同じ議案を提案できないというものである。

議長によると、1月15日の議案と3月12日の議案は十分に違いがあり、慣例法の違反にはならない。しかし、3月12日の議案と同じものを今回再提案することは出来ない。
どれだけ違えばよいかについては明らかにしていないが、「根本的に違っている("fundamentally different")」ことが必要としている。

これにより、離脱協定案の支持獲得を目指していたメイ首相の計画に大きな狂いが生じ、合意なき離脱の可能性が再び高まることになる。

対応策として、女王に議会を閉会してもらい、新しく議会を開いて、決議する案が出ている。




(予定)

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