英離脱協定案 3度目も否決

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英下院は3月29日、離脱協定案について3回目の採決を行い、賛成286、反対344の反対多数で否決した。

今回の採決での賛否の差は58票で、1回目の230票、2回目の149票よりは縮まった。

メイ首相が協定案の可決と引き換えに首相を辞任すると表明したことで、過去2回の採決で反対した与党・保守党の議員の一部が賛成に転じたが、保守党内の強硬派は依然として反対し、閣外協力の北アイルランドの地域政党の民主統一党や野党は引き続き反対した。

離脱協定案の賛否は下記の通り。(2/17に労働党議員1名が死亡で欠員) 

投票権 1回目(1/15) 投票権 2回目(3/12) 今回(3/29)
賛成 反対 棄権 賛成 反対 棄権 賛成 反対 棄権
保守党 316 196 118 2 -4 312 235 75 2 277 34 1
民主統一党 10 10 10 10 10
労働党 254 3 248 3 * -1
-10
243 3 238 2 5 234 4
スコットランド国民党 35 35 35 35 34 1
自由民主党 11 11 11 11 11
独立党 8 3 5 +3 11 4 6 1 4 5 2
独立グループ +11 11 11 11
シン・フェイン党 7 7 7 7 7
プライド・カムリ 4 4 4 4 4
緑の党 1 1 1 1 1
合計 646 202 432 12 * -1 645 242 391 12 286 344 15
賛否差 -230 -149 -58

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EUは3月21日、首脳会議を開き、EU離脱について下記の通り決めた。

1)英国下院が3月29日までに離脱協定案を可決すれば、協定案の批准手続きのため5月22日までの延期を認める。

2)下院が3月29日までに可決できない場合、離脱日を本来の3月29日から4月12日まで延期する。

英国に対し、この日までに、5月23〜26日に実施される欧州議会選挙への参加有無も含め、離脱の長期延期か、「合意なき離脱」か、離脱の撤回か、を示すことを求める。

下院は3月27日に「示唆的投票」("indicative" vote) を実施したが、8つの案 のいずれも過半数を得られなかった。

このうち、「合意なき離脱」は160対400と圧倒的に反対が多い。逆に親EU 派の案に多くの票が集まっている。

2019/3/28 英議会 離脱延期を正式決定 代替案8案いずれも過半数に満たず

なお、下院は3月13日夜、「合意なき離脱を拒否」の採決を行い、321対278で離脱拒否案を可決している。

投票権者 賛成 反対 棄権
保守党 312 17 265 30
民主統一党 10   10  
(与党) (322) (17) (275) (30)
労働党 243 235 2 6
スコットランド国民党 35 35    
自由民主党 11 11    
独立党 11 7 1 3
独立グループ 11 11    
シン・フェイン党 7     7
プライド・カムリ 4 4    
緑の党 1 1    
合計(欠員 1) 645 321 278 46

2019/3/14  英下院、「合意なき離脱」を否決

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議会は4月1日にメイ首相の離脱協定に代わる複数の案について議員の投票を実施する。

「示唆的投票」で8つの案 のいずれも過半数を得られなかった。仮に、代替案が見つかったとしても、実行するには準備期間が必要になるため、EUと交渉して長期の離脱延期を認めてもらわなければならない可能性が高い。

離脱の長期延期か、「合意なき離脱」かであれば、長期延期の公算が強い。但し、土壇場でどうなるか分からない。

今回の否決を受け、EUのトゥスク大統領は、4月10日に臨時の首脳会議を開き、英国の離脱問題について協議する方針を明らかにした。

英紙Timesによると、EUは最長1年の離脱延期を受け入れるか、合意がないままEUを離脱するか二者択一を英国に迫る方針だという。

欧州委員会のスポークスマンは否決を遺憾に思うと表明し、「4月12日の合意なき離脱はいまやあり得るシナリオだ」と発言。「EUは2017年12月から合意なき離脱のシナリオに向けて準備を進めてきた。今の段階で4月12日深夜をもって合意なき離脱となったとしても、準備は万端だ」と続けた。

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