東芝メモリ、1.3兆円調達

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東芝メモリが1.3兆円を調達することが分かった。

三菱UFJ銀行と三井住友銀行みずほ銀行の大手3行が合計9千億円を融資し、別に1千億円の融資枠を設ける。

日本政策投資銀行も3千億円の議決権のない社債型優先株を引き受ける。出資の意向を表明していたINCJ(旧産業革新機構)は資金を出さない方針に転じた。
(現在東芝が所有する40.2%相当の議決権のうち、33.4%分は、将来的に資本参加を表明している産業革新機構と日本政策投資銀行に対し指図権を付与している。)

付記

東芝メモリは5月31日、日本政策投資銀行による出資とメガバンク3行からの借り入れで、6月末までに総額1兆2000億円を調達すると発表した。 3行は1000億円の追加融資枠も設定する。

なお、同社は5月17日、北上工場第1製造棟でWestern Digital と共同で設備投資を行う正式契約を締結した。3次元フラッシュメモリを生産する。2019年秋の竣工予定。


背景は次の通り。

東芝は2017年9月28日、東芝メモリの株式譲渡契約を締結したと発表した。

売却先はBain Capitalがこの目的のために設立し、参加各社が出資する㈱ Pangeaで、譲渡価額は2兆円。

2018年6月1日に譲渡が完了した。

東芝メモリ株式譲渡とともに、東芝は譲受会社のPangeaに合計3,505億円を再出資し、Pangeaの議決権のある普通株式を約1,096億円分(約40.2%)、転換権付き優先株式を約2,409億
円分(総数の約40.8%)取得し、その結果、約40.2%の議決権を取得した。

Apple、Seagate、Kingston Technology、Dell Technologies Capitalの需要家4社が(議決権無しで)4,155億円を出資している。

2017/9/30 東芝メモリの株式譲渡契約締結


東芝メモリは設備投資に充てる成長資金を確保するため、2019年11月以降に新規株式公開(IPO)を検討しているが、「取引先が株式を持つ現状では上場審査に不利」とされ る。

このため、Appleなど4社が持つ優先株を買い戻しておく必要がある。

今回の調達資金 1.2兆円(他に融資枠1千億円)で Apple等4社の持つ優先株(取得価額4,155億円)を約5,300億円で買戻し、消却する。
残りの資金で金融機関からの借入金 6千億円を返済する。現金700億円が手元に残ることとなる。


単位:億円) 出資 合計 転換
社債
借入金 再計 今回 処理後
議決権株 優先株
東芝 40.2% 1,096 2,409 3,505 3,505 3,505
HOYA 9.9% 270 270 270 270
(日本側) (50.1%) (1,366) (2,409) (3,775) (3,775) (3,775)
Bain 49.9% 1,361 759 2,120 2,120 2,120
SK Hynix 2,660 2,660 1,290 3,950 3,950
(Bain / SK) (49.9%) (1,361) (3,419) (4,780) (1,290) (6,070) (6,070)
Apple ほか4社
(買戻し額)
4,155 4,155 4,155

-4,155
(-5,300)

0

金融機関 6,000 6,000

-6,000
9,000

9,000
日本政策投資銀行 3,000 3,000
INCJ
(産業革新機構)
0
合計 2,727 9,983 12,710 1,290 6,000 20,000 1,845 21,845
(今回のCash 増) 700

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