速報の通り、EUと英国は4月11日早朝、英国の離脱期限を10月31日まで再延長することで合意した。
4月10日にEUの臨時首脳会議がEU案を決め、翌早朝、英国のメイ首相と合意した。
最長で10月31日までの延長で、英国は、双方が離脱協定案を批准した場合は、その翌月1日に離脱し、そうでない場合は11月1日に離脱する。
但し、英国が欧州議会選挙に参加しない場合は、延期は5月31日までとする。(5月22日までに離脱協定案を批准する予定の場合はこの限りでない)
合意書の内容は次の通り。
まず、これまでの経緯と、延期の前提を記している。
(1) 2017/3/29 英国の離脱通知
(2) EUはTreaty on European UnionのArticle 50 に基づき、英国と交渉した。
(3) 2018/11/25 英国と離脱協定案と政治宣言案で合意した。
(4) Article50(3) では、通告の2年後に離脱する。EUの満場一致の決定で延長可能。
(5) 2019/3/20 英国は2019/6/30までの延期を要請した。
(6) これに対し、EUは英国下院が3/29までに協定案を承認した場合は5/22までの延期を、そうでない場合は4/12までの延期を認めることとした。
(7) 英国下院は3/29までに協定案を承認しなかった。
(8) 英国は4/5のレターで、協定案の承認を得るため、6/30までの延期を求めた。
(9) EUは4/10に、協定の双方による批准を求め、延期に合意した。
延期は必要な限りとし、最長 10/31 までとする。
双方がそれ以前に協定を批准した場合、10/31以前に離脱協定は発効する。
この結果、批准の翌月1日か11月1日に離脱する。
(10)(延期の悪影響の回避)
延期により、EUの機能が損なわれない。
英国は離脱日までは、本来の権利と義務をもって残留する。
英国はいつでも離脱を撤回する権利を持つ。
英国が5/23~26の欧州議会選挙中にメンバーである場合、英国は欧州議会選挙の義務を持つ。
それにも関わらず欧州議会選挙をしない場合、延期は5月31日に終了する。
英国は、EUの意思決定に参加する場合、EUの目的達成を邪魔する行動を行わない。
(11) 離脱時点でEUの取り決めの英国への適用を中止する。
(12) 延期により、離脱協定の再交渉はしない。
(13) EUは2019年6月に進行状況をレビューする。
結論
Article 1 離脱日を2019年10月31日まで延長する。
The period provided for in Article 50(3) TEU (Treaty on European Union), as extended by the European Council Decision (EU) 2019/476, is hereby further extended until 31 October 2019.
Article 2 この決定は、英国が欧州議会選挙に参加せず、かつ5月22日までに協定書を批准しない場合、5月31日に終了する。
This decision shall enter into force on the day of its adoption.
This decision shall cease to apply on 31 May 2019 in the event that the United Kingdom has not held elections to the European Parliament in accordance with applicable Union law and has not ratified the Withdrawal Agreement by22 May 2019.
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なお、EUのTusk大統領は4月10日のEUの臨時首脳会議の終了後、次の通り述べた。
英国に追加の6カ月が与えられた。この間にどう決めるかは英国次第である。
離脱協定を批准
Brexit戦略の再検討
Brexit をやめることも出来る。
その間、フルメンバー国として協力する。
最後に英国の友人へ: Please do not waste this time.
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