千葉事業所は本年4月1日の開設で、茂原市のJDI茂原工場(旧 日立ディスプレイズ)内に設置した。
印刷方式の有機ELディスプレイパネルの後工程製造ラインを設ける。能力は有機ELディスプレイ 約220,000台/月。
2818年7月開設の能美事業所でアレイ工程から印刷OLED工程までの「前工程」を行ったあと、千葉事業所にて「後工程」であるモジュール工程を行い、最終検査を経て製品として顧客に出荷する。
両事業所は2020年に同時に稼働する予定。
JOLEDは、RGB印刷方式による21.6型4K高精細の有機ELパネルを世界で初めて製品化し、2017年12月5日より出荷を開始した。
大画面に均一に一括塗布する設備技術・プロセス技術の実用化とともに、光取り出し効率が高い独自の「トップエミッション構造」により、優れた色再現性や広視野角を実現した。
住友化学が開発した高分子発光材料を使用する。印刷方式は蒸着よりコストが安い半面、パネルが大型になるほど均一に材料を塗布するのが難しかったが、これを使えば塗布のムラができにくくなる。
2018/3/24 デンソー、JOLEDに300億円出資
今回の設備投資には、INCJ、ソニー、NISSHAを引受先とする第三者割当増資により調達した総額255億円の資金の一部を活用する。
3社のうち、INCJは200億円の出資を発表している。残り55億円の内訳は不明。
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JOLEDは2015年1月、有機ELディスプレイの量産開発加速および早期事業化を目的として、ソニーとパナソニックの有機ELディスプレイの開発部門を統合して設立された。
産業革新機構が75%、ソニーとパナソニックが各5%出資し、有機EL事業の進出を図るジャパンディスプレイ(JDI) も15%出資した。
JDIは2016年12月にJOLEDに51%の出資とすることを決めたが、中期経営戦略の見直しに伴い、2018年3月30日にこの出資方針を取り消した。
但し、今後の追加出資で、議決権比率を15%から20%台に引き上げる予定とした。
JOLEDは石川、京都、神奈川の技術開発センターを拠点に開発を進め、2016年にパイロットラインを立ち上げ、印刷方式による有機ELディスプレイ量産技術を確立した。2017年に石川技術開発センターから製品出荷を開始している。
経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は2018年3月30日、能美工場を産業革新機構に200億円で売却すると発表した。産業革新機構はこれをJOLEDに現物出資するとされた。(現物出資をしたのかどうか は発表がなく、JOLEDが増資で取得した資金で買収した可能性もある。)
JOLEDは2018年8月23日、第3者割当増資により、総額470億円を調達したと発表した。
引受先の内訳はデンソーが300億円、豊田通商が100億円、住友化学が50億円、SCREENファインテックソリューションズが20億円。
デンソーとは車載向けディスプレイの開発で協力するほか、豊田通商には販売面の協力を仰ぐ。住友化学とは材料開発での協力体制を強化する。JOLEDは2019年中に世界初となる低コスト方式での有機ELパネルの量産を始めるが、デンソーとパネルを共同開発して車載分野を強化し、先行する韓国勢に対抗する。
2018/3/24 デンソー、JOLEDに300億円出資
今回、既存株主のINCJ(旧 産業革新機構)とソニーに加え、NISSHAが出資する。NISSHAはフィルムベースのタッチセンサーを主力製品のひとつとしており、タッチセンサーでJOLEDと協業する。
同社の出資関係はよく分からない。
最新の同社の資本金は 625億3,758万円となっている。出資額 は資本金と剰余金に分けられるが、その情報がなく、各社の出資額と出資比率の関係が不明。
今回の報道では、出資比率はINCJが36.1%、JDIが27.2%、デンソーが18.3%となっているが、JDIによる追加出資の発表はなく、比率アップの理由不明。
これまで発表されているのは下記(単位:億円)のとおり。
増資前 2018年出資 現物出資? 今回出資 産業革新機構→INCJ 75% 200? 200 JDI 15% Sony 5% 55 NISSHA Panasonic 5% デンソー 300 豊田通商 100 住友化学 50 SCREEN 20 合計 ? 470 200? 255
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