メイ首相、離脱の短期延期を要請へ

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メイ首相は4月2日、約7時間に及ぶ閣議で対応策を協議したあと、首相官邸で声明を読み上げた。

1) 4月12日の合意なき離脱を回避するため、離脱の短期間の延期をEUに要請する。

欧州議会選に参加しなくて済むよう、5月22日までに離脱関連法を成立させたいとしている。

2) そのうえで、秩序立った離脱を実現するため、最大野党・労働党のコービン党首と直接話し合い、合意形成を目指す。

EU側は離脱案のうち、離脱条件を定めた協定の再交渉には応じない構えであるため、英・EUの将来関係の大枠をうたう「政治宣言」に絞って超党派で妥協を引き出し、離脱案全体を可決に持ち込む。

 ①ここで合意に達した場合、共同案の議会承認を求める。

 ②合意に達しない場合、「将来の関係について複数の選択肢」を下院で採決に付す。
   議会の決定がどのようなものであれ政府は実行を約束する。

 いずれのケースも、結果を4月10日のEU首脳会議に諮る。


上のいずれも、実現は難しい。

1) EU側は下記の理由で離脱の延期を認めないと思われる。

延期しても英国側がまとまるとは思えない。(前回が最後通告)

新たな欧州議会が開会する7月2日以降も英国がEUにとどまる場合、英国は欧州議会選挙を実施する必要がある。
欧州議会選挙は5月23日~26日に行われる。4月12日は5月23日~26日に行われる欧州議会選挙の立候補締め切り日。

現在、英国の離脱を前提に議席の再割り当てをしており、離脱が未定のままでは選挙を進められない。

2) メイ首相は、自分の離脱協定案は譲れないとしており、EU関税同盟への残留を主張する労働党や、現行案ではEUからの離脱がいつまでも出来ないと懸念する与党強硬派が歩み寄るとは思えない。

長期延期がないのなら、合意なき離脱の可能性が強まる。

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