メイ首相、労働党との妥協に理解求める

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メイ英首相は4月6日深夜、Brexitについて、野党・労働党の支持を取り付ける以外に事態打開の道はないとする声明を出した。

離脱協定案は英議会で3回否決されていると指摘し、与党・保守党内部と、閣外協力する北アイルランドの地域政党の民主統一党から過半数の支持が得られないなら、新しいアプローチ:労働党と妥協するしかないと明言した。市民は国の危機に際して政治家が一緒に解決することを期待していると述べた。

"The choice that lies ahead of us, is either leaving the European Union with a deal or not leaving at all.

"I think the government thinks we must absolutely leave the European Union.

"We must deliver Brexit. That means we need to get a deal over the line."

"And that's why we've been looking for new ways to find an agreement in Parliament, and that means cross-party talks.

"There's lots of things which I disagree with the Labour Party on policy issues.

"But on Brexit, there are some things we agree on.

"Ending free movement, ensuring we leave with a good deal, protecting jobs, protecting security.

"It'll mean compromise on both sides, but I believe delivering Brexit is the most important thing for us."

協定案で議員のマジョリティを得ることが、英国がEUから離脱する唯一の方法である。時間がかかればかかるほど、英国がEUを離脱しないリスクが高まるとする。

単一市場への残留や再国民投票の可能性を否定せず、与野党が合意している分野もあると強調。「双方とも域内での人の自由な移動は認めず、良い条件で離脱し、雇用を守ることを望んでいる」と語り、「これが議会で過半数を獲得できる妥協案の基になる」との見方を示した。

保守党の離脱派はメイ首相が労働党の要求、特にEUとの関税同盟、を受け入れるのではないかと、メイ首相の発言に怒りを示す。
関税同盟の場合、EUとは関税無しとなるが、英国が他国とFTAを締結することができなくなる。


実際には、単一市場に残りながら移民を制限する「いいとこ取り」の "soft Brexit " は、EUが認めないことが確実で、これが"hard Brexit" に踏み切った理由である。

May首相は2017年1月17日、EUからの離脱を巡り、移民制限や司法権独立など英国の権限回復を優先し、EU単一市場から完全に離脱すると表明した。

2017/1/19 BREXIT の12のポイント 


しかし、労働党との協議が成功する保証はない。

労働党との3日間の協議は金曜に合意なしで終わった。労働党のCorbyn党首は、政府側のポジションに大きな変化は見られないとしている。

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