テロ対策施設未完成の原発、運転停止へ

| コメント(0)


原子力規制委員会は4月24日の定例会合で、原発に設置が義務付けられているテロ対策施設が期限内に完成しない場合、 期限の延長を認めないことを決めた。原則として原発の運転停止を命じる。

テロ対策施設は「特定重大事故等対処施設」と呼ばれ、2011年の福島第一原発事故後にできた新規制基準で設置が義務付けられた。
原子炉から離れた場所に建て、遠隔制御で原子炉を冷やす設備を備える。原子炉が航空機の衝突などによる攻撃を受けても、電源や冷却機能などを失わないようにする。

ーーー

原子力規制委員会は2013年6月19日、福島第 一原発事故の教訓を踏まえた新しい規制基準を決定した。7月8日に施行する。

テロ対策などを盛り込んだ「過酷事故対策編」、既存設備の安全対策を強化する「設計基準編」、活断層調査の強化や津波防護策を定めた「地震・津波編」の三つに大別される。

基準には、最新の安全対策を義務付ける「パックフィット制度」が導入され、既設原発も対象になる。

過酷事故対策編 「特定安全施設」(事故の際、中央制御室の代替として機能) 5年間猶予
「緊急時対策所」(前線本部となる免震重要棟) 仮設も当面可能(機能を満たせば)
フィルター付きベント装置 加圧水型原発は現状でも当面容認
電源車やポンプの配備
航空機墜落などのテロ対策 法施行から5年猶予→審査終了後5年
非常用バッテリー(3つ目) 5年猶予
設計基準編 ケーブル難燃化(火災対策)
活火山、竜巻対策の強化
冷却装置、電源設備の多重化、多様化
地震津波対策編 最高の耐震性
防潮堤、水密扉
活断層の調査対象を必要に応じて「40万年前以降」までさかのぼって拡大
最高津波の高さ(「基準津波」)に応じた安全対策を実施
活断層直上に重要施設の設置を認めない 日本原子力敦賀2号を認定

2013/6/21  原子力規制委員会、原発新基準を決定 

テロ対策施設の設置期限は、当初は新基準の施行から5年の2018年7月だった。
規制委は2015年、原発本体の審査が長引いていたことをふまえ、「工事計画の審査終了後 5年」に先延ばしを決めた。

ーーー

テロ対策施設をめぐっては、大がかりな工事が必要で、これまでに設置できた原発はない。

関西、四国、九州の電力3社が4月17日に、6原発12基で設置期限を超える見通しを示した上で、規制委に期限の延期などを求めた。
九電川内や玄海、関電高浜、大飯、美浜、四電伊方が期限を1年~2年半ほど超える見通しという。

規制委は期限の延長を認めないことを決めた。設置期限に間に合わなければ、2020年以降に順次、運転停止することになる。

更田豊志委員長は「規制の根幹にかかわる。利用停止は明確にしたい」と述べた。

再稼働済みの全9基が停止を迫られる可能性が出てきた。

認可 期限 遅れ ◎稼働中
九電 川内 1号 2015/3/18 2020/3/17 約1年
2号 2015/5/22 2020/5/21
関電 高浜 3号 2015/8/4 2020/8/3 約1年
4号 2015/10/9 2020/10/8
四電 伊方 3号 2016/3/23 2021/3/22 約1年
関電 高浜 1号 2016/6/10 2021/6/9 約2年半 40年超 工事要
2号
関電 美浜 3号 2016/10/26 2021/10/25 約1年半 40年超 工事要
関電 大飯 3号 2017/8/25 2022/8/24 約1年
4号
九電 玄海 3号 2017/8/25 2022/8/24 未定
4号 2017/9/14 2022/9/13 未定

コメントする

月別 アーカイブ