武田薬品は2019年1月4日、アイルランドの製薬大手Shire plc 買収に関して英ジャージー裁判所の認可を取得したと発表した。
裁判所の認可を得たことで、2019年1月8日付で買収を完了した。1月8日に買収が完了した。
日本企業のM&Aとして最大となる460億ポンドの買収が実現した。
買収金額(円換算)は、買収を発表した昨年5月時点は約6.8兆円だったが、円高が進んだことで約6.2兆円となった。
同日付で普通株式を発行した。増加する資本金及び資本準備金の額は下記の通り。
増加する資本金の額:1兆5656億4千万円
増加する資本準備金の額:1兆5656億4千万円
連結売上高が3兆円超の世界8位となる巨大製薬会社が誕生する。
2019/1/5 武田薬品、1月8日にShire plcの買収完了へ
同社は2019年5月にShireの下記事業の売却した。(2019/3月決算に含まず)
売却先 2018 Sales 売却対価 ドライアイの兆候・症状の治療薬「Xiidra®5%」 Novartis 3億8,800万米ドル 34億米ドルの一時金
最大19億米ドルのマイルストン手術用パッチ剤「TachoSil®」 Ethicon 約1億5,500万米ドル 4億米ドルの一時金 製造は引き続き武田
長期の製造供給契約を締結
同社の決算は下記の通り。Shireの買収の影響で非常に複雑になっている。財務実績と、特殊処理、それを除いた実質に分けた。
財務実績:
単位:億円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2019年3月期(実績)にはShireの2019/1-3の業績を、2020年3月期(予想)には年間業績を含む。
2019年3月期(実績)と2020年3月期(予想)にはShireの買収の影響(企業結合会計の影響と買収・統合関連費用)を含む。
概要は次の通り。
2019/3 実績 億円 武田 Shire 小計 結合会計 統合費用 合計 営業損益 4,118 598 4,715 -1,816 -850 2,050 持分法損益 -439 3 -436 -436 税引前 3,574 494 4,068 -1,856 -1,263 949 法人税 -446 -113 -559 440 261 141 当期利益 3,128 381 3,509 -1,376 -589 1,090
買収の影響の主なものは下記の通り。売上原価:棚卸資産の公正価値調整など817億円
販売費・一般管理費:Shire社買収に係る買収関連費用 238億円
その他費用:Shire買収に伴い取得した無形資産の償却費992億円、Shire買収に関連した統合費用596億円
金融損益:Shireに関連する財務費用413億円
税金:Shire買収に伴う税金費用の減少影響587億円
2020/3 予想 武田 結合会計 統合費用 合計 営業損益 6,540 -6,930 -1,540 -1,930 税引前 5,810 -7,090 -2,410 -3,690 当期利益 4,130 -7,960 -3,830
上記を過去の実績を含めグラフ化すると下記の通り。
売上高
営業損益
内訳
税引前損益
株主帰属損益
財務損益と、統合会計・統合費用を除いた実質の対比
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