政府はEU離脱を巡る行き詰まり打開を目指しているが、月内に行われる欧州議会選挙への参加を回避できるだけの早期決着には至らないと述べた。
「離脱問題を決着し、離脱協定を完了させることができると大きく期待していた。そうなっていれば、欧州議会選挙に参加する必要はなかった」。
「しかし英国の離脱が法的に有効にならない限り、法に従って選挙を行う必要がある。このため英国は選挙手続きを進める」。
「現在の目標は、欧州議会の新会期が始まる7月2日までに離脱を完了させること。英議会が夏季休会に入る(通常は7月半ば)までには「確実に」この問題を解決したい」。
付記
労働党のコービン党首は5月17日、メイ首相に宛てた書簡で、離脱を巡る与野党協議の打ち切りを求めた。「重要政策で与野党の溝を埋めることができないことが明らかになった」としている。
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既報の通り、EUと英国は4月11日早朝、英国の離脱期限を10月31日まで再延長することで合意した。
結論
Article 1 離脱日を2019年10月31日まで延長する。
Article 2 この決定は、英国が欧州議会選挙に参加せず、かつ5月22日までに協定書を批准しない場合、5月31日に終了する。
2019/4/11 Brexit 合意書
欧州議会は新議会(2019~2024年)の開会初日時点の全加盟国から直接選ばれた議員で構成することが法的に義務付けられており、今回は7月2日がその日に当たる。
欧州議会選挙は5月23日~26日に行われる。
新たな欧州議会が開会する7月2日以降も英国がEUにとどまる場合、英国は欧州議会選挙を実施する必要がある。
英国が5月22日までに協定書を批准すれば、万事解決する。英国は欧州議会に参加しない。
逆に5月22日までに批准しない場合、欧州議会選挙を実施する必要があるが、もしやらなければ、5月31日に「合意なき離脱」をせざるを得ないこととなる。
メイ首相としては、議会選挙を避けたかったが、5月22日までに批准できる可能性が無くなったとし、選挙を実施するもの。
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欧州議会議員は任期が5年。総議席は751で、英国は、本土が70議席、北アイルランドが3議席の合計73議席である。
前回は2014年5月22日に投票が行われた。選ばれた議員の党派は次の通り。
当選 | 前回比 | |
独立党 | 24 | +11 |
労働党 | 20 | +7 |
保守党 | 19 | -7 |
緑の党 | 3 | +1 |
スコットランド国民党 | 2 | ±0 |
自由民主党 | 1 | -10 |
プライドカムリ | 1 | ±0 |
国民党 | 0 | -2 |
Sinn Fein | 1 | ±0 |
民主統一党 | 1 | ±0 |
アルスター統一党 | 1 | ±0 |
合計 | 73 | ±0 |
EUでは、BREXITを前提に既に議席の再配分をしていた。但し、英国がまだ離脱しないため、発効していない。
英国のEU脱退によって空席となる73議席のうち、46議席は無くし、総議席数は751から705に削減された。
残り 27議席は各国に再配分された。
2019/4/15 Brexit と欧州議会選挙
選挙方法は各国に任されている。
英国では5月23日に実施され、12選挙区から73人が選ばれる。候補者か、党か、どちらかを投票する。
18歳以上で予め登録した人が投票できる。
欧州議会選は「人気投票」に流れる傾向があり、強硬離脱派の新党 Brexit Party が世論調査で30%の支持を集めている。
Brexit Party は元独立党党首のNigel Farage が2019年4月に早期の離脱を目指し設立した。
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