FedEx、Huawei 制裁を巡り米商務省を提訴

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物流大手FEDEX CORPORATION(旧称 Federal Express :FedEx) は6月24日、米商務省を提訴した。

商務省が定めた禁輸リストにより、毎日輸送する「大量の貨物を監視すること」を強いられていると訴えている。

https://about.van.fedex.com/wp-content/uploads/2019/06/FedExComplaintAsFiled.pdf

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米商務省は5月15日、華為技術(Huawei)に対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表した。

輸出管理法のに基づき安保上懸念がある企業を列挙したEntity List (規則 744.11(b) )にHuawei を追加した。

今後、日本企業を含む企業が米国のハイテク製品や技術を同社に輸出する場合は商務省の許可が必要になり、原則却下される。

2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策

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訴状の概要は以下のとおり。

FedEx は毎日、約1500万の荷物を引き受けている。そのため、45万人のチーム、2150の拠点、13の航空機の拠点、679機の飛行機、650の空港、39の地上拠点、600の地上設備、18万台の自動車を持ち、220か国以上にわたり事業を行っている。

FedExのような輸送業者は、(HuaweiをEntity List に載せた)Export Control Reform Act of 2018 とExport Administration Regulationsに縛られている。

それによると、荷物の送り主か受取人が "Entity List" に載っているかどうかを調べるため、発送前に名前と住所をチェックすることが必要となる。

しかし、この法律では、FedExのような輸送業者にはできないことを求めている。例えば、許可なしでは輸出できないモノを含んでいるかどうかを確認することを求めている。荷物が許可が必要かどうかなど、一般の輸送業者には判断不能である。

しかし、この法律は輸送業者に需要家が法律に違反していないかどうかをチェックする責任を負わせており、やらないとペナリティを課すこととなっている。
(CEOによると、
1日に扱う貨物は約1500万個にもなるが、一つでも違反が発覚すれば、1個あたり25万ドルの罰金を支払わねばならないという。)

毎日、何百万もの荷物の中味をチェックさせられる。実際にも、経済的にも、多くの場合に法律的にも不可能なのに。
需要家は荷物を封をして送ってくる。仮にやればプライバシー違反である。しかも免責条項はない。

以下、詳細に記載した後で、裁判所に以下のことを求めている。

a) 商務省が原告に本命令をすることを永久に禁止

b) Export Administration Regulationsの規定を原告に適用するのは違法であると宣言すること。

c) 原告にコストと費用(弁護士費用を含む)を支払うこと。

d) 適当と思われる追加の救済策

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Huaweiは5月24日、FedExを利用して日本から中国へ送った同社の小包2つが本来の目的地に届かず、米国へ送られていたことを明らかにした。
FedExはほかにも、ベトナムから香港とシンガポールのHuawei支部に送られることになっていた小包2つも米国に転送しようとしており、そのうち1つはすでに回収されたが、もう1つは未回収だという。Huaweiはこれら4つの小包には書類しか入っておらず、技術関連の情報は入っていないとしたと伝えた。

FedExはこの誤配送を謝罪し、「不注意に誤配送」されたことを「後悔している」と表明した。同社はこの出来事は外部からの圧力によるものではないとした。

中国国営通信の新華社は6月1日、中国当局が調査に乗り出すことを決めたと伝えた。調査理由について、中国の顧客の「合法的な権益を著しく損ねた」としている。

中国商務省は5月31日に、中国企業の正当な利益を損ねる外国企業をリスト化する方針を示しており、FedExがこれに載ると推測されている。

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FedExは6月23日、もう一つのミスを発表した。ルールを読み誤った過剰反応と見られる。

技術情報誌の記者がHuawei P30 スマホを米国の同僚に発送した。FedExはこれを発送者に返送し、米国とHuawei及び中国政府との問題で輸送できないと伝えた。

その後、FedExは公式に、Huawei製品はHuaweiとブラックリストに載っているHuaweiの子会社以外には輸送すると述べた。

Huaweiは、同社は現在、FedExもUPSも利用していないと述べ、同社製品を輸送しないのはFedExの権利にはないとし、報復すると述べた。

中国の外務部は詳細な説明を求めている。

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