中国の国家市場監督管理総局( State Administration for Market Regulation :SAMR) は6月4日、Ford Motorの中国合弁会社の長安フォード(Chongqing Changan Automobile:Changan Ford Motor )が価格つり上げにより独占禁止法に違反したとして、162.8 百万人民元(約2360万ドル)の制裁金支払いを命じた。
2013年以降、重慶市での自動車販売で「最低再販売価格を設定していた」と指摘し、「販売業者の自主的な価格設定を阻み、公平な競争と正当な消費者の利益を害した」と非難した。
従来、中国の独禁法は下記の体制で実施されてきた。
反壟断委員会(国務院直属) 独占禁止政策の調査、市場動向のモニター、執行機関間の政策の調整 実務
機関発展改革委員会価格調査局 価格独占行為の調査・処分 商務部反独占局 事業者結合行為 国家工商行政管理総局
(工商総局)独占協定、市場支配的地位の濫用、行政権力を濫用した競争の排除・制限(価格独占を除く) 2018年3月、中国の「構造改革」の一環として、独禁法関連の 各機能と、品質検験権益総局(輸出入品質検査検疫を除く)、食品薬品監督管理総局の機能が新設の国家市場監督管理総局に移管された。国務院直属機構である。
長安フォードはFord と長安汽車(Changan Auto)の50/50JV。
罰金額はJVの昨年の重慶市での売上の4%に相当する。
長安フォードは当局の決定を尊重し、ディーラーとともに対策を講じたとしている。「今後も自由でフェアな競争環境に貢献すべく努める」としている。
業界関係者は、中国では各社は自社製品の最終価格を守るため努力しており、最低価格設定は珍しくはないとしている。
今回の摘発について、米国と中国の貿易紛争に絡める筋が多い。
昨年5月にはFord とLincoln車が税関で異常に時間がかかったことがあった。
既報の通り、中国商務部は5月31日、中国企業の利益を損ねる「信頼できない外国企業等」(不可靠實體)のリストを作成する方針を明らかにした。
中国当局は、米物流大手 Fedex が華為技術(Huawei)の小包を無断で米国へ転送したことについて「顧客の合法的な権利と利益を著しく損ね、中国の法律と規制に違反した」とする声明を出し、捜査に乗り出した。Fedexは誤配だったと説明し、謝罪している。
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