シャープ、堺の液晶パネル工場の子会社化検討

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シャープがテレビ向けの大型液晶パネルを生産する運営会社 堺ディスプレイプロダクトを子会社化する検討を始めた。

シャープは堺市に大型テレビ用液晶パネル工場を建設し、2009年10月に稼働させたが、ソニーへの販売を狙い、ソニーとの合弁会社シャープディスプレイプロダクトとして分離した。
その後、ソニーは離脱し、現在は
鴻海精密工業の郭台銘会長の資金運用会社が53.05%を所有している。(社名は堺ディスプレイプロダクトに改称)

シャープは液晶パネルを自社の亀山工場でも生産するが、ガラス基板が小さく、大型パネルの生産性に課題がある。
堺工場は世界最大級のガラス基板を備える。

シャープが堺工場を再び傘下に収めれば、大型パネルの生産効率が向上するとともに、高精細な映像表現ができるシャープ独自の「IGZO」技術を使うことも可能となり、中韓メーカーのパネルとの差別化につながることとなる。

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経緯は下記の通り。

シャープは2007年7月、新たに大阪府堺市に最先端の液晶パネル工場と、薄膜太陽電池を量産する太陽電池工場を併設することを決定したと発表した。

主な生産品目:40型・50型・60型クラスの大型テレビ用液晶パネル
 ・マザーガラスサイズ:2,850mm x 3,050mm(第10世代)
  (60型クラスのパネルが6枚、50型クラスは8枚、40型クラスは15枚取れる)
 ・投入能力:月72,000枚(稼動当初は月36,000枚)

液晶パネル工場は2009年10月に稼働した。

凸版印刷と大日本印刷は同地にカラーフィルターの工場を建設した。

2007/12/5  シャープの「21世紀型コンビナート」

2009年4月にシャープとソニーは、この液晶パネル工場を分社化し、大型液晶パネル・モジュールの生産および販売を行う合弁会社シャープディスプレイプロダクトを設立した。

会社名称 シャープディスプレイプロダクト
設立日 2009年4月1日
稼動開始 2009年10月
出資比率 最終 シャープ66%、ソニー34% (当初 ソニー 7.04%)
事業 大型テレビ用液晶パネル・モジュールの生産およびシャープ、ソニーへの販売
生産能力 72,000枚/月(稼動当初は36,000枚/月)(マザーガラス投入ベース)

2009年12月29日、ソニーはシャープディスプレイプロダクトの増資を引き受け、7.04%を100億円で取得した。
ソニーは堺工場で生産されるパネルの7%にあたる55万台分(40型換算)を購入する。

2011年4月末までに最大34%まで引き上げられ、その時点で265万台分がソニーに供給されることとなっていた。

しかし液晶パネルの調達環境をめぐる変化を背景に、両社は2011年4月、ソニーの追加出資を先送りにした。

シャープは2012年3月27日、電子機器の受託製造サービスの世界最大手の鴻海グループ(Hon Hai) と戦略的グローバル・パートナーシップを構築すると発表した。

鴻海グループのシャープの第三者割当増資 9.88% 669億円
(これは中止となり、その後2016年3月30日に鴻海は取締役会でシャープ買収を決めた。鴻海グループでシャープの3888億円の第三者割当増資を引き受け、議決権の66%を得た。)

シャープディスプレイプロダクトを「ワンカンパニー」として共同で事業運営 シャープ 46.48%、董事長 46.48%、ソニー 7.04%
鴻海グループのシャープ本体への出資は一時中止となったが、この投資は行われた。)

シャープとソニーは2012年3月28日、ソニーの追加出資を行なわないことで合意し、2012年5月24日にシャープディスプレイプロダクトについて、6月末までにソニーが保有する株式(出資比率:7.04%)すべてを譲渡し、両社の合弁を解消すると発表した。対価として、ソニーの出資時と同額の100億円が全額現金で支払われる。

また、シャープと凸版印刷、大日本印刷は2012年5月24日、凸版、大日本の堺工場における液晶カラーフィルター事業をシャープディスプレイプロダクトに吸収分割の方式により承継させることを決めた。

これらの結果、シャープディスプレイプロダクトの出資比率は以下の通りとなる。(吸収分割で株式発行)

シャープ 37.61%
郭台銘 37.61SIO International Holdings Limited)
凸版 9.54
大日本 9.54
自己株式 5.70 (ソニーから買収分 旧 7.04%相当)

2012年7月17日付で社名を「堺ディスプレイプロダクト」に変更した。

2016年12月28日、シャープが持ち株 436千株を 17,170 百万円で郭台銘氏の投資会社に譲渡した。

現状の出資関係は次の通り。

郭台銘 53.05%
シャープ  26.71%
凸版印刷 9.54%
大日本印刷 9.54%

シャープ本体への鴻海グループの出資は次の通り。

Honhai Precision Industry 26.14%
FOXCONN (Far East) 18.41%
FOXCONN Technology 13.00%
SIO International 7.36% 
合計 64.91%


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