Huawei、知的財産権に関するホワイトペーパーを公表

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Huawei(華為技術)は6月27日、同社のイノベーションと知的財産権に関するホワイトペーパーを発行し、知的財産権に関する紛争を「政治問題化」することへの懸念を表明した。

Huawei White Paper on Innovation and Intellectual Property :
Respecting and Protecting Intellectual Property: The Foundation of Innovation
 

記者会見した同社の上級副社長兼最高法務責任者は、知的財産権はイノベーションの基礎であり、それを「政治問題化」することは世界各国における進展を脅かすことになると警告した。

「政治家が知的財産権を政治の道具として使えば、特許保護制度の信頼を破壊することになる。一部の国の政府が選択的にある企業をその国の知的財産権保護制度から排除すれば、世界のイノベーションの基礎を壊すことになる」と述べた。

イノベーションと知的財産権の保護こそがHuaweiの過去30年間の成功の土台であることを示した。

知的財産権に係る紛争は司法プロセスを通じて解決されるべきだとし、Huaweiは過去30年間において、悪意ある知的財産権の盗用・剽窃に関与したとの裁決を受けたことはなく、そのためこうした行為に対する損害賠償を求められたこともないと強調した。

また、Huaweiが知的財産権を尊重したうえで協調的なアプローチを採用してきたことは、同社の成果が、3G、4Gそして5Gなどの携帯電話の通信技術に関する標準規格にオープンに組み込まれているという事実からも明らかだと指摘し、Huaweiの製品を直接購入していない国であっても、Huaweiの発明に依拠する必須特許を利用しており、Huaweiが創造した技術がもたらす価値を共有していると述べた。

さらにHuaweiの特許の使用に関するスタンスについて、特許ポートフォリオを今後も「武器」として使用することはないと述べた。オープンかつ協調的なスタンスで、産業界での特許ライセンスにあたってはFRAND(Fair, Reasonable, and Non-discriminatory:公平、合理的、かつ非差別的)原則を堅持するとした。

「Huaweiはこれまでと同様に、当社の技術を世界と常に共有する準備があり、またしていきたいと考えている。これには5Gも含まれ、米国の企業や消費者も含まれる。私たちは協力して産業の発展を進め、人類に価値をもたらす技術を進化させることができるのです」

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トランプ大統領と習近平国家主席は6月29日、大阪市内で会談した。

会談終了後、トランプ大統領は「素晴らしい会談だった。期待以上といえるだろう。協議は再開する」と記者団に語った。

トランプ大統領はHuaweiへの事実上の禁輸措置に関連し「アメリカ製品をこれからも売ることを認めていきたい」と述べ、米企業によるHuaweiへの部品販売などを認める考えを示した。
「大量の米国製品がHuaweiのさまざまな製品に使われており、取引を続けてもかまわないと思っている」と述べた。「安全保障上問題がないところは、装備・設備などを売ってもいい」とし、この問題については「今後どうなるのか見極めたい」と語った。

米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は6月30日、Huaweiに対する制裁緩和について、禁輸対象リストに同社を残し続けると明らかにした。

「一般的な恩赦ではない」と説明した。米商務省は「Entity List」に引き続き掲載する。米国製品などを輸出する企業に対しては、汎用品の取引にのみ輸出許可を出す。

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Executive Summary 概要:

過去30年以上にわたり、情報通信技術に焦点を置き、世界の30億人以上をネットワークで結び付けた。世界のあらゆる環境でのネットワークをサポートするよう全力を尽くす。

このビジョンの実現のため、イノベーションと研究開発を重視する。毎年、売り上げの少なくとも10%をR&Dに投資する。2018年には売上の15%、1000億人民元以上をR&Dに使った。EUの統計でR&D投資で世界5位になっている。その結果、革新的製品、効率的なサービスを需要家に供給できた。

過去20年以上、R&Dに重点投資し、ICTセクターで主要な4G特許保有者となり、5Gでのリーダーの地位を固めた。(5G開発に5年で20億ドルの投資)
IPの尊重、保護がイノベーションの基礎と信じる。

イノベーションの実用化を推進するため、ライセンスやクロスライセンスで我々のIPを他社とシェアしている。研究結果の発表もしている。毎年、多くの情報を専門誌に発表し、産業の進展に努めている。

> 基礎研究を重視し、投資を続けるのがHuaweiの現在の成功のキイである。

2018年末時点で、8万7,805件の特許を保有し、そのうち1万1,152件は米国で登録されたもの。

> 現在、毎年100~200の報告を専門誌に行っている。

> Huawei のイノベーションは同社の需要家、消費者、業界、投資家に膨大な利益を与えている。

> Huawei は第三者のIP、商業秘密を尊重する。IPの管理、コンプライアンスのシステムを構築し、全ての従業員がこれをも守るよう全力を尽くしている。

> Huawei は世界の主要企業(Nokia, Ericsson, Qualcomm, Nortel, Siemens, Alcatel, BT, NTT DOCOMO, AT&T, Apple, Samsung など)と友好的な交渉を通じ、100件以上のライセンス契約(クロスライセンスを含む)を結んできた。

> Huawei は2015年以降、米欧アジアの幅広い企業から14億ドル以上のライセンス料を受け取っている。

> Huawei は国際ルールを尊重し、過去20年で第三者のIP利用のため累積で60億ドル以上を支払っている。

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