政権側は上告した。しかし、これらの司法判断が覆るまで、対象となった部分の壁建設を止める必要がある。
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米カリフォルニア州の連邦地裁のHaywood Gilliam Jr. 判事は5月24日、大統領権限で国防予算をメキシコ国境沿いの壁建設に振り向ける計画について、一部を暫定的に差し止める判断を下した。
政権が壁建設に使用しようとしている67億ドルのうちの、アリゾナ州とテキサス州の2つの地域で51マイルの壁を建設するための10億ドルについてである。
壁建設に反対する Sierra Club と南部国境コミュニティ連合を代表してAmerican Civil Liberties Union が行った訴訟に対するもの。5月25日にも壁の建設作業が開始される予定であった。
2019/5/27 メキシコとの国境の壁建設、連邦地裁が一部を暫定差止
Gilliam Jr. 判事は6月28日、カリフォルニア州とアリゾナ州の間の79マイルの壁についても15億ドルの予算転用を禁止した。
今回、控訴審はこの合計25億ドルの計画を差し止めた。
3人の判事の意見が分かれた。うち 2人が、政権は議会の承認なしに予算を流用する権限を持たないとする地裁の判断を支持した。
Obama 大統領が指名したMichelle Friedland判事と、George W. Bush 大統領が指名したRichard Clifton判事が、「議会に歳出の権限を与えた憲法を尊重し、壁建設への資金支出を何度も拒否したことにみられる議会の公共の利益の理解に任せることが、最善であるということで一致した」としている。
同じくGeorge W. Bush 大統領指名のN. Randy Smith判事は、この結論を「未知の、リスキーなアプローチだ」とした。「法的判断の最も基本の概念に矛盾する。これまで無かった憲法の問題を生んだ」としている。
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