英国 次期首相決定

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英国の次期首相にBoris Johnson 前外相が決まった。

メイ保守党党首(首相)の辞任を受け、 次期英首相を選ぶ保守党党首選は、保守党議員による選挙(後記)でジョンソン前外相とハント外相が決選投票に駒を進めた。

決算投票は全国16万人の保守党員の郵送による投票で決まる。

2人は1カ月かけて選挙活動を展開した。EU離脱が焦点となった。当初、3月29日にEUを離脱する予定だったが、議会が離脱協定を3度にわたり否決したため、EUは離脱期限を10月31日まで延長した。

ジョンソン氏は、EUとの協定合意があってもなくても、10月31日の期日にEUから離脱すべきだとしている。(この案については、ハモンド財務相、ゴーク法務相、スチュワート国際開発相などが反対しており、ジョンソン氏が首相となった場合は辞任すると表明している。)

対するハント氏はEUとの合意に基づく離脱を主張しており、ブレグジットを10月31日以降にさらに延期する可能性もあるとしている。但し、EU離脱の撤回よりは合意なしの離脱を選ぶとしている。

英国保守党は7月23日正午(現地時間)、党首選挙の党員投票の結果を発表した。

得票
Boris Johnson 前外相 92,153
Jeremy Hunt 外相 46,656
無効 20,515
合計 159,324
投票結果の発表を受け、壇上に立つJohnson次期首相


ジョンソン氏は「我々はひるんでいない。10月31日にEU離脱を実現する。労働党のジェレミー・コービン党首を打ち負かす」と改めて宣言した。

与党保守党の党首は自動的に首相になる。

メイ首相は7月23日の朝、最後の閣議を開いた。

英国議会では毎週水曜日正午から30分間、首相VS野党第一党の党首、その他の各党議員との質疑応答の時間(PMQ:Prime Minister's Question Time)が開かれ、BBCが生中継する。

メイ首相は7月24日に最後のPMQに出席した後、女王に辞表を提出、後継のJohnson 前外相が Buckingham Palaceで任命され、首相に就任する。

離脱期限の10月末まで3か月と1週間しかない。EUは協定案が最終であり、修正には応じないとしている。

このままでは「合意なき離脱」となり、大混乱が予想される。

新首相はどう動くのだろうか。

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党首選挙の経緯:

議員による選挙で、最低 8人の推薦を受けて立候補した10人のうち得票数が17票未満の候補がふるい落とされ、2回目は得票33未満が落とされる。その後はそれぞれ最下位を落とし、最終的には候補を2人に絞り込む。

議員の投票結果は次の通り。(Fは女性)

候補 6/13 6/18 6/19 6/20 決戦
Boris Johnson 前外相 メイ首相の離脱協定に反発して外相を辞任 114 126 143 157 160

Jeremy Hunt 外相 国民投票では残留派だったが、現在はEU離脱派 43 46 54 61 77
Michael Gove 環境相 メイ首相の離脱協定を支持 37 41 51 59 落選 75
Sajid Javid 内務相 残留派 → 欧州懐疑派 23 33 38 落選 34
Rory Stewart 国際開発相 残留派→ Brexitを受け入れ 19 37

落選

27
Dominic Raab Brexit 担当相 国民投票の前からEUからの離脱を訴え 27

落選

30
Matt Hancock 保健相 メイ首相の離脱協定を支持 20

撤退

Andrea Leadsom (F) 前下院院内総務 EU離脱派の中心的存在、政府方針に反対し辞職

落選

11
Mark Harper 元院内幹事長 残留→ メイ首相の離脱協定支持 10
Esther McVey (F) 前雇用・年金相 離脱派。メイ首相の離脱協定に反発し辞職 9

2019/6/22 英国 保守党党首選挙-2

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