米通商代表部(USTR)は8月13日、中国から輸入する約3000億ドルへの10%の追加関税について、詳細を発表した。
第4弾の関税自体は予定通り9月1日に発動するが、健康や安全、安全保障に関わる製品は除外する。また、スマートフォンやノートパソコン、玩具など特定品目の発動を12月15日に先送りする。
2019/8/14 米の対中関税第4弾、スマホなど12月15日に先送り
中国はこれに対し報復措置を取るとしていたが、国務院関税税則委員会は8月24日、国務院の承認を得て、米国原産の5078の税目、約750億ドル分の製品に対し、10%と5%の追加関税をかけることを決定し、2019年9月1日午後0時01分、12月15日午後0時1分の2回に分けて発動すると発表した。
これまで中国は累計1100億ドルの米国製品の関税を引き上げた。最近の米国からの輸入は1300億ドル弱のため、新規に追加関税を課せられる品目は少ない。このため、今回はすでに追加関税を発動した商品にさらに上乗せするものも多い。
9月に追加関税をかけるのは原油、大豆、鋼板、化学製品など計1717品目、12月に発動するのは木材、自動車、織物など計3361品目で、税率はいずれも5%か10%である。
9月のリスト http://www.gov.cn/xinwen/2019-08/24/5424152/files/acef73fcf6d2416f954e2960bb37f938.pdf
12月のリスト http://www.gov.cn/xinwen/2019-08/24/5424152/files/57ee92fc87424a4993e515d6758e8713.pdf
これとは別に、これまで停止していた自動車向けの25%追加関税を2019年12月15日から復活させる。上記の通り、12月1日からは自動車にも追加関税が課せられるので、25%とこの分10%が一般税率(15%)に上乗せされることとなる。
中国は2018年7月6日から340億ドルの米国品に25%の追加関税を課したが、これに自動車が含まれていた。
2018年12月1日の米中首脳会談の合意に基づき、中国政府は米国から輸入する自動車に上乗せしていた25%の関税を来年1月から3カ月間、停止すると発表した。米国製自動車の関税はいまの40%から元の15%に戻る。
2018/12/18 中国、米自動車への報復関税を3カ月間停止
国務院関税税則委員会は2019年4月1日より、米国で生産された自動車(25%) と自動車部品(5%)に対して引き続き追加関税の賦課を一時停止することを決定した。この措置の終了時期については別途発表するとしている。
今回、12月15日からこれを復活させる。自動車の場合、追加が10%のため、一般関税15%に当初の25%、今回の10%の合計35%が上乗せされ、50%になる。
中国の乗用車関税の推移:
全体 対米国 当初 25% 25% 2018年5月 15%
↓
15% 2018年7月 対米追加関税 25% 40% 2019年1月~3月 対米追加関税免除 15% 2019年4月1日より追加関税を一時停止 15% 2019年12月15日以降 復活+追加 10% 50%
中国の対米報復関税の全貌は下記の通り。
現状 | 今回発表 | |||
① 340億ドル | 2018/7/6 25%
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(自動車) 2019/12/15 復活
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5078の税目、約750億ドル 5% & 10% 2019/9/1 2019/12/5 |
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② 160億ドル (累計500億ドル) |
2018/8/23 25% | |||
③ 600億ドル (累計1100億ドル) |
A | 2018/9/24 5%
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B | 2018/9/24 10% | |||
Bの一部 | 2019/6/1→ 20% | |||
Bの一部 | → 25% |
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