Evonikは8月1日、MMA事業の売却を7月31日に完了したと発表した。関係官庁の承認を得た。今後、Specialty Chemicals に集中する。
Specialty Chemicals への集中の一環として、PeroxyChemを6億2,500万ドルで買収する契約を締結したが、 別項の通り、FTCの反対を受けている。
世界中に18カ所のプラントを持ち、従業員は3900人。2016年から2018年までで年間売上高は18億ユーロ、年間のEBITDAは約3億5千万ユーロであった。
売却取引は、メタクリレート、アクリル製品およびCyplus社(シアン化ナトリウム)の各事業ライン、ならびにメタクリレート樹脂の事業活動の一部などが対象。PMMA はPlexiglas のブランドでいろいろな分野で使用されている。
Evonikは、景気に影響されにくいスペシャルティケミカルへの注力を高めるという組織的な戦略の一環として、これらの事業の売却に踏み切った。
売却先のAdvent Internationalは米国のプライベート・エクイティ会社で、化学業界における経験が最も豊富な世界でも有数の金融投資機関。過去30年間で30を超える投資を行ってきた。
Bayer子会社H.C. Starck 、欧州PVCメーカー Vinnolit(のち、Westlake Chemicalに転売)など。
Evonikは売却収入をバランスシートの強化と成長分野への投資に充てるとしており、PeroxyChemの買収もその一つであった。
Advent International では、この事業を強化するとしており、工場の増強も行う。
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Evonik のMMA事業(Röhm GmbH)の元はドイツのRohm & Haasの事業である。Dowが買収した米国のRohm & Haasとも同根である。
1907年に2人のドイツ人、ケミストのRohmと実業家のHaasがドイツでRohm & Haasを設立した。
1909年にHaasが米国に移住してフィラデルフィアに支店を設立した。
第一次大戦でドイツ企業が接収されるのを避けてHaasが本社と縁を切って米国企業のRohm & Haasとした。
(Haasは戦後 Rohmにその持分の対価を払っている)
ドイツ本社はRohmと改称、1989年にHulsに買収された。
Hulsは1899年にDegussaと合併してDegussa-Hulsとなり、2001年にSKW Trostbergと合併してDegussaとなっ た。
Degussa親会社のRAG Beteiligungs-AGは2007年9月12日、グループを再編し、Evonik Industries に改称すると発表した。
Rohmは米国のCytexと50/50JVのCyroを米国に設立したが、現在は100%子会社となっている。
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