米商務省は8月19日、中国の華為技術(Huawei)への米国製品の禁輸措置を強化すると発表した。
米商務省は本年5月15日、安全保障上の懸念があるとして輸出を規制する外国企業のリスト(Entity List ) に華為技術(Huawei)を追加した 。米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置である。
2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策
今回、制裁回避を防ぐため関連会社46社を追加した。 これらの企業への米国製品の輸出は商務省の許可が必要で、今後も企業の申請は原則却下される。
Bureau of Industry and Securityによる発表
Huawei Technologies Co., Ltd. と別名 Shenzhen Huawei Technologies
子会社3社を別記 Huawei Digital Technologies (Suzhou)、Shanghai Huawei Technologies、Zhejiang Huawei Communications Technology
(以上は5/15の指定分を明確化したもの)追加 27社
次の各国の子会社
Argentina、Australia、Bahrain、Belarus、China(3社)、Costa Rica、Cuba、Denmark、France、India、Indonesia、Italy (2社)、Kazakhstan,、Mexico、New Zealand、Panama、Portugal、Romania、Russia、South Africa、Sweden、Thailand、UK(2社)、追加 中国の関係会社19社
なお、商務省は5月15日の当初の発表直後の5月20日、リスト記載企業に対して「一時的一般許可証」を発行した。
5月16日までに有効になった契約について、5月20日から90日間(8/19まで)に限り、携帯電話のソフトウェア更新やネットワークの保守・運用に必要な一部の取引を認めた。「現在Huawei 製のスマートフォンを使っている一般ユーザーと地方のブロードバンドネットワークのための運用継続を認めるもの」としている。
8月19日に期限の到来を受け、商務省は今回、この猶予措置を更に90日間、11月18日まで延ばす。
ロス商務長官は声明で「米消費者がHuawei 製品から離れるのを促す中、混乱を避けるためにもう少し時間が必要だ」と説明した。
付記 11月18日、2020年2月17日まで、さらに90日延長することを発表した。
トランプ大統領は6月末の会談で習近平国家主席の要請を受け、「安保に脅威とならない取引を認める」と制裁緩和を表明した。
しかし、トランプ大統領は8月18日、「Huaweiとは一切ビジネスをしたくない」と強調した。
制裁解除を求めてきた習近平指導部は反発するとみられる。
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米商務省は6月21日、輸出管理法に基づき安保上懸念がある企業を列挙したEntity List (規則 744.11(b) )にスーパーコンピューター大手5社とそれぞれのグループ会社を追加した。
商務省は、スパコンが「核爆発のシミュレーション」などの軍事目的に利用されていると指摘。無錫江南については、中国人民解放軍の傘下にある研究施設が所有者で「中国軍の近代化を使命としている」とした。
米商務省のBureau of Industry and Security (BIS) は8月13日、中国国有の原子力発電最大手、中国広核集団 とその子会社をEntity List (事実上の禁輸リスト)に加えると発表した。
米国の原子力技術を軍事転用しているとして、米国製品の販売を阻止する。原発は中国がハイテク産業育成策「中国製造2025」で掲げる重点分野 で、米政権は禁輸措置などを駆使して中国ハイテクへの締め付けを強めている。
2019/6/24 米、中国スパコン大手を禁輸対象に指定 及び 付記
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