経営再建中のジャパンディスプレイは8月9日、4-6月期の決算を発表した。
顧客の在庫調整や米中貿易摩擦の影響を受けた需要減により売上高が減少したほか、白山工場の減損を含む517億円の事業構造改善費用を特別損失として計上した。
この結果、連結純損益は833億円の赤字となり、債務超過となった。
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2019/6/末 株主資本 -805億円 純資産 -772億円 |
2019/5/17 ジャパンディスプレイ、5年連続赤字
JDIは6月12日、構造改革の実施と、合わせて執行体制の刷新に関する発表を行った。
1) 今後の需要の大幅回復の見込みが立たないモバイル事業の縮小と、これに伴う白山工場の一時稼働停止 及び茂原工場後工程ラインの閉鎖
2) 人員削減
3) 役員報酬及び社員給与等の削減
4) 執行体制の刷新
詳細は 2019/6/17 ジャパンディスプレイ、苦境に
問題の増資問題については下記の通り。
6月27日、中国の嘉実基金管理から合計522億円のコミットメントレターを受領したと発表した。
JDIの需要家の米国のAppleからの支援の出資100百万ドルを含んでいる。
香港のOasis Management からの150~180百万ドル については6月28日に出資決定の通知を受領した。
7月12日にHarvestは追加で100百万ドル出すこと、為替レートなどで合計が800億円未達の場合、差額をOasisが出すとの発表があった。
これにより800億円の目途が立ったため、臨時株主総会を8月29日を目処に開催するとした。
2019/6/29 JDI、一部の支援は決まるが、依然、不安 及び付記
JDIは8月7日、中国ファンドなどからの最大800億円の資金支援に関し、資本業務提携の正式な契約を結んだと発表した。
契約が想定よりも遅れたため、臨時株主総会は8月29日から9月27日に変更する。
8月9日夕方にファンド側と東京都内で共同記者会見を開く予定としたが、「健康上の理由もあり、来日できなかった」ため中止となった。
「関係当局の許認可などが得られる時期が確定できない」として、払い込みの期限を今年12月30日から来年の8月28日に延ばす。
支援の前提条件としては①中国の政府当局からの介入がない②顧客の米アップルから製品購入の大幅削減の通知を受けていない③JDIの株価の終値が30円以下になったことがない-などとなっている。
JDIでは、筆頭株主で政府系ファンドの INCJ(旧産業革新機構)から新たに200億円の融資を受け、当面の運転資金に充てる。返済期限は2020年8月8日としている。
現在の経営実績、アップルの購入見通しなどから考えると、ファンドからの実際の入金があるまでは安心できない。 出資条件に、株価の終値が30円以下にならないというのがあるが、8月13日の連休明けの株価は一時、前週末から11円安の59円をつけた。
また、800億円の入金があっても、現在の経営状態からはすぐに資金不足になるとみられている。
中国ファンドの嘉実基金管理グループが、支援を見送る方針をJDIに伝えたことが9月26日、わかった。複数の交渉関係者が明らかにした。
JDIの再建策は事実上、白紙に戻る。
JDIは同日夜、Harvest Techより、JDIのガバナンス(企業統治)に対する考え方に「重要な見解の不一致が生じた」として、企業連合からの離脱を通知してきたと述べた。
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