東京電力は7月31日、福島第二全号機(1~4号機)の廃止を決定した。
東京電力は7月24日、福島第2原発の廃炉を近く決定すると正式に表明した。小早川社長が福島県の内堀知事 に「廃炉の検討にめどがついた。月末の取締役会で正式に決める」と伝えた。
2019/7/27 東電、福島第2の廃炉を表明
同社は廃炉に伴う経理処理を明らかにした。
内訳 | 金額 | 経理処理 | |||
解体費用 | 既引当 |
2,822億円 |
2,163億円 | 過去に損失計上済 | |
未引当 | 658億円 |
1,934億円 |
廃炉会計 資産計上(10年償却) | ||
燃料解体費・再処理等拠出金 | 1,276億円 | ||||
発電設備、核燃料 簿価 | 956億円 | 2019/4-6 期 特別損失 計上 | |||
災害損失引当金戻入 (過去に損失処理) |
(益)1,135億円 |
2019/4-6 期 特別利益 計上 |
一般の会計原則では、廃炉が決まれば引当不足分を一気に損失計上する必要がある。政府は電力会社救済のため2013年に「廃炉会計制度」を導入した。
同社では、解体費用のうちの未引当分と燃料解体費・再処理等拠出金の合計1,934億円を資産計上し、10年償却する。
注)廃炉会計では、解体費用は運転期間40年+安全貯蔵期間10年=50年の定額償却となっている。
停止から解体までに放射能の減衰を待つ期間を置く必要があり、その間は使用済み燃料ピットその他は事業の用に供しているので、解体開始までの期間も償却期間に含む趣旨。
福島第2は2011年3月の大震災以降、休止しており、今から10年の貯蔵は必要ないと思われるが、このような場合の扱いは明らかでない。
発電設備と核燃料の簿価は2019/4-6期に特別損失に計上、過去に損失処理した災害損失引当金を同じく特別利益に計上する。
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東北電力は7月31日、福島第2原発の廃炉費用約2800億円のうち、約350億円を負担する見通しであることを明らかにした。
東北電力はこれまで廃炉費用約240億円分の積立金を東電側に支払っており、今後の実質的な負担額は残りの約110億円となる。
これまでの福島第2原発からの電力の購入(受電)比率に応じたもの。東北電は3、4号機から、それぞれ4分の1にあたる計55万キロワットを受電していた。
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