就任したばかりのイギリスのジョンソン首相にとって、初の国政選挙となる下院の補欠選挙が8月1日行われ 、与党・保守党が敗北した。
補選が行われたのはウェールズ地方の Brecon and Radnorshire 選挙区で、保守党議員Chris Davies が3月に国会議事費に関する2件の詐欺容疑で有罪を認め、6月21日にリコールの請願により解任された。
保守党からはChris Davies 候補が再出馬したが、2015年まで議席を確保していた自由民主党が 勝った。
自由民主党候補 13,826票、保守党候補 12,401票、ブレグジット党候補 3,331票、労働党候補 1,680票、その他。
総議席650のうち、投票するのは639だが、与党(保守党と民主統一党)は320議席となり、僅か1票差での過半数である。党内で1人でも造反があれば重要法案は否決される。
10月末の離脱実現を目指す新政権にとって大きな痛手となった。
付記 9月3日、保守党の Phillip Lee 議員が自由民主党に鞍替えし、保守党は過半数を失った。(下表はこれを反映せず)
議長と副議長(保守1、労働党2)は投票しない。北アイルランドのSinn Fein党(7人)は 女王に忠誠を誓うのを拒否し、議会をボイコット、歳費も受け取らない。
前 | 2017/6/8 選挙 | 異動 | 2019/1/15 | 異動 | 2019/8/2 | 投票なし | 議決権 | ||
保守党 | 330 | -13 | 317 | 317 | -6 | 311 | 1 | 310 | |
民主統一党 | 8 | +2 | 10 | 10 | 10 | 10 | |||
(与党) |
ー |
(327) | (327) | (-6) | (321) | (1) | (320) | ||
労働党 | 232 | +30 | 262 | -6 | 256 | -9 | 247 | 2 | 245 |
スコットランド国民党 | 56 | -21 | 35 | 35 | 35 | 35 | |||
自由民主党 | 8 | +4 | 12 | -1 | 11 | +2 | 13 | 13 | |
独立党 | 1 | -1 | 0 | +8 | 8 | +3 | 11 | 11 | |
独立グループ | 0 | 0 | +5 | 5 | 5 | ||||
シンフェイン党 | 4 | +3 | 7 | 7 | 7 | 7 | 0 | ||
ブライドカムリ | 3 | +1 | 4 | 4 | 4 | 4 | |||
緑の党 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||||
社会民主労働党 | 3 | -3 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
アルスター統一党 | 2 | -2 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
Change UK | 0 | +5 | 5 | 5 | |||||
無所属 | 1 | 1 | -1 | 0 | 0 | 0 | |||
議長 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | |||
合計 | 650 | 0 | 650 | 0 | 650 | 0 | 650 | 11 | 639 |
今年に入って補選は3回目。
2月17日にウェールズを選挙区とするベテラン労働党議員が死去したが、この後任については4月5日の補欠選挙で労働党候補が当選し、議席を維持している。イングランド東部のPeterborough 選挙区の労働党女性下院議員Fiona Onasanya がリコールされ、6月6日に下院補欠選挙が行われ、僅差で労働党候補が当選した。
2019/6/8 英国の下院補欠選挙
今回、リコールされた保守党議員に代わり、自由民主党が当選した。
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