米、中国を為替操作国に指定

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人民元相場が8月5日、対ドルで1ドル=7元台に下落した。16:30時点のレートは7.0352元となった。元安を食い止める7元の「防衛ライン」がついに崩れ、ほぼ11年ぶりの安値に沈んだ。

中国人民銀行(中央銀行)は間髪を入れずに声明を発表した。「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場はきょう7元を突破した」。

制裁関税の影響を緩和するために中国政府が人民元安を容認しているとの見方が広がっている。

中国人民銀行は6日、基準値を1ドル=6.9683元に設定したと発表した。基準値としては2008年5月以来、約11年ぶりの元安水準となる。



これを受け、米財務省は8月5日、中国を「為替操作国」に指定したと発表した。操作国への認定はクリントン政権以来で、相手国が対応を改めなければ関税の発動など制裁を強化する規定がある。中国が反発するのは必至で、米中対立が一段と激しくなる。


トランプ米大統領は5日、中国の通貨・人民元の対ドル相場が1ドル=7元台に下落したことに関連し「中国が通貨をほぼ史上最低の水準まで下落させた。為替操作だ」とツイッターで中国政府を批判していた。

China dropped the price of their currency to an almost a historic low. It's called "currency manipulation." Are you listening Federal Reserve?

This is a major violation which will greatly weaken China over time!

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Based on the historic currency manipulation by China, it is now even more obvious to everyone that Americans are not paying for the Tariffs - they are being paid for compliments of China, and the U.S. is taking in tens of Billions of Dollars! China has always used currency manipulation to steal our businesses and factories, hurt our jobs, depress our workers' wages and harm our farmers' prices. Not anymore!


米財務省は、1988年から毎年2回議会に対して為替政策報告書を提出している。それに基づき、対米通商を有利にすることを目的に為替介入し、為替相場を不当に操作している国に対してと議会が為替操作国と認定する。

為替操作国に認定された国は、アメリカとの間で二国間協議が行われ通貨の切り上げを要求される。またアメリカは必要に応じて関税による制裁を行う。

付記

国際通貨基金(IMF)は8月9日、今年の中国に対する「4条協議」に関する報告を発表し、「中国が重要な経済分野の改革で進展を収めた」と評価すると共に、「2018年の人民元相場はファンダメンタルズにおおむね沿った水準だった」と強調した。

IMFは「IMF協定」第4条に基づき、通常毎年1回、専門家チームを加盟国に派遣して現地の経済と金融の状況を調査した上で、調査結果について当該国の政府と議論し、更にその結果についてIMF理事会に諮っている。

今回の報告の中で、IMFは、「中国政府は最近、金融機関の脆弱性の軽減や経済の開放継続の面で進展を遂げた。また、過去数年の貿易の再均衡などにおける中国の努力を歓迎する」とした。

IMFアジア・太平洋課のアシスタント・ディレクター(中国担当)は記者会見で、米財務省が中国を「為替操作国」に指定したことについてのコメントを求められ、「2018年の人民元相場は中期的なファンダメンタルズにおおむね沿った水準であり、過大評価も過小評価もされていないと考えている」と述べた。

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米財務省は2019年5月28日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表した。

日本と中国とドイツ、韓国を引き続き「監視リスト」に指定した。スイス、インドは今回、リストから外れた。新しく、アイルランド、ベトナム、イタリア、マレーシア、シンガポールをリストに加えた。 合計9カ国となった。

今回から基準を一部変更したが、イタリアとマレーシアは旧基準では対象外で、変更により対象となった。 未確認だが、シンガポール(外為市場への介入月数)もその可能性がある。

中国について、こう述べている。

昨年1年間のモノの対米貿易黒字は4,190億ドルで、これは中国の非関税障壁、非市場メカニズム、国家補助金、その他の施策の結果である。中国への輸入を妨げ、また外国の投資を妨げている。

2018年1年間で人民元は米ドルに対し5.4%安くなった。更に中国の対米黒字が増えることとなる。

為替介入をしないというG20での約束を守ることを注視する。

2019/5/30 米国、半期為替報告書を公表、9か国を為替監視リストに

参考

Trump 大統領は、大統領選挙前の2016年10月下旬に、大統領に選ばれた場合の公約 "Donald Trump's Contract With The American Voter" を発表した。「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプランである。

そのなかで、北米自由貿易協定(NAFTA) の再交渉又は撤退の意思の発表、TPPからの撤退の宣言などとともに、中国を為替操作国に指定することを挙げている。

2016/11/11 トランプの公約

トランプ大統領は2017年4月12日のWall Street Journalとの会見で、「考えを変えた。中国は現在は為替操作をしていない」と述べた。

2017/4/17 トランプ大統領、「中国を為替操作国に認定しない」 

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