キリンホールディングスとファンケルは8月6日、資本業務提携契約を締結したと発表した。
背景は次の通り。
キリングループ:
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」では、「酒類メーカーとしての責任」を果たすことを前提に「健康」、「地域社会・コミュニティ」、「環境」の3つを重点課題として選定した。
このうち、「健康」については、ライフサイエンス分野に進出してからは、酒類・飲料による「食領域」 と医薬事業による「医領域」の双方から社会課題を解決してきたが、「食領域」と「医領域」の中間領域にあたる「医と食をつなぐ事業」を立ち上げ、次世代の成長の柱として育成していく方針を打ち出した。
本年4月には 従来「医領域」にあった 協和発酵バイオを「医と食をつなぐ領域」の中核事業会社に位置づける再編を完了した。高機能アミノ酸、免疫、脳や腸内環境に関する機能性素材などを強みとして 最大限に活用する。
協和発酵キリンは2019年4月に、連結子会社の協和発酵バイオの株式の95%を 親会社のキリンHDに約 1,280 億円で譲渡した。
協和発酵バイオの事業は次の通り。
ファインケミカル事業:各種医薬用アミノ酸、核酸関連物質、医薬品原料等
ヘルスケア事業:各種アミノ酸、ビタミン、カロチノイド等の機能性食品素材、健康食品2019/2/8 キリンホールディングス、協和発酵バイオを子会社に
ファンケル:
2018年に長期ビジョン「VISION2030」を発表し 、「美」と「健康」の領域での企業集団になることを目指し、確かな機能を持つ健康食品を提供することで、「健康寿命の延伸」と医療費の削減に貢献することが使命であると考える。
このように、「健康」に関する社会課題の解決を通じて成長を目指すキリンの考え方と、「健康寿命の延伸」という大きな社会課題の解決に取り組むことで成長を目指すファンケルの考え方は共通しており、両社の目指す理念や方向性は一致している。
資本業務提携の概要は次の通り。
(1)業務提携の内容
①素材・商品・ブランド開発
②共同研究・事業開発の推進
③インフラの相互利用 生産面での協業、チャネルの相互乗り入れ(キリンの自動販売機チャネル、ファンケルの直販チャネル等の活用)
(2)資本提携の内容
キリンによるファンケル株式の購入 取得総額は1,293億円、議決権割合 33.0%
( 3)キリンによる役員の派遣 常勤取締役1名、非常勤取締役1名および常勤監査役1名
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