トランプ政権、合法移民の永住権取得を制限へ 

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米トランプ政権は8月12日、低所得者向けの公的医療保険 Medicaid や住宅補助、政府の食費補助(フードスタンプ)などの公的扶助を3年間で1年以上受け た低所得の合法移民について、ビザ(査証)の延長や永住権(グリーンカード)取得を制限する新規則を発表した。アメリカへの入国や滞在許可を得ることが一層難しくなるとみられる。

既に永住権をもつ人や難民申請中の人は対象外。

AP通信によると、年約54万人の申請者のうち約38万人が新規則の影響を受ける可能性がある。

移民規制を強めるトランプ政権で、非正規移民に加え、合法的に移住しようとする移民も、所得や能力で選別する姿勢を打ち出した。

今回の「公課規則」は、 12日付けの連邦官報 の中で公表された。10月15日から施行される。 妊婦や子ども、救急医療や災害支援などは対象外という。

政府は、「自給自足の理想型」を推し進めるとしている。

ホワイトハウスは、現行の規則は「自立性があり、我々の公的資金を圧迫しない」移民よりも、「家族との結びつき」がある移民をひいきしていると主張している。アメリカへ流入する移民の3分の2が、能力や実績よりも、家族に基づいて入国しているという。 また、その多くが公的扶助を受けているとする。

トランプ大統領は、「米国人の利益を守るため、移民には経済的に自立してもらう必要がある」と述べた。

1996年にClinton大統領が決めた方針では、外国人はその必要を満たすために公的資源に頼るべきでないとしており、以前からの方針であるとする。

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/president-donald-j-trump-ensuring-non-citizens-not-abuse-nations-public-benefit/

担当の市民権・移民局(Citizenship and Immigration Services)のKen Cuccinelli 局長代行は公共放送NPRの番組に出演、司会者から「自由の女神に刻まれているEmma Lazarusの詩句なかのの『疲れし者、貧しき者を我に与えよ』もアメリカの精神の一部であることに同意するか」と問われた。

"Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tossed to me,
I lift my lamp beside the golden door!"

疲れ果て、貧しさにあえぎ、自由の息吹を求める群衆を、私に与えたまえ。
人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を。
戻る祖国なく、動乱に弄ばれた人々を、私のもとに送りたまえ。
私は希望の灯を掲げて照らそう、自由の国はここなのだと。(意訳 青山沙羅)

Cuccinelli 局長代行は、司会者の質問に「もちろんだ」と答え、続けて、こう述べた。
「疲れし者、貧しき者を我に与えよ――自分の2本の足で立つことができ、公的負担とならない者を

"Give me your tired, your poor, who can stand on their own two feet and who will not become a public charge"

政権を批判する勢力からは「アメリカンドリームを否定し、米国の姿を変える行為だ」と反発の声が上がっている。

今回の措置は中南米からの不法移民に厳しい態度で臨むトランプ大統領の移民政策の延長線上にある。

対象となるのは合法的に滞在許可を得た移民ではあるが、市民権を取得した家族や親類を頼って渡米した低所得者を狙ったものであることは明らか である。

新規則が導入されれば、ビザが更新できなくなることを恐れ、病気になっても医療扶助などを諦める移民が増える可能性が高くなる。移民を支援する全国移民法センターは「合流しようとする移民の家族への罰を拡大するものだ」と非難し、法的手段を検討すると表明 した。

8月13日にはサンフランシスコ市と同郡、隣接するサンタクララ郡が差し止めを求めて訴訟を起こした。

8月14日には、ワシントン州、ニュージャージー州、ネバダ州、ニューメキシコ州など13州が、トランプ政権の新たな移民規制措置は「違法だ」として差し止めなどを求めワシントン州の連邦地裁に提訴した。

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