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米製薬大手Bristol-Myers Squibbと米バイオ製薬大手Celgene Corporation は1月3日、Bristol-Myers Squibbが現金と株式 約740億ドルでCelgene Corporationを買収する契約に調印したと発表した。
Celgene株主は1株につき現金50ドルとBristol 株1株を受け取る。
Celgeneは、癌や炎症・免疫性疾患領域における革新的な治療薬の研究・開発および販売を行ってい る。治験薬は、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、すい臓癌、非小細胞肺がん、黒色腫を含む難治性の血液 癌および固形癌の患者を対象としている。
さらに、乾癬や乾癬性関節炎のような深刻な炎症性疾患の治療薬として、複数の化合物が評価されている。
Bristol-Myers Squibbはノーベル賞の本庶佑名誉教授のがん免疫治療薬オプジーボについて、日本、韓国、台湾以外で開発・商業化の権利を持つ。
この合併計画に対し、連邦取引委員会(FTC)は、乾癬(psoriasis)治療薬について懸念を示した。
Celgeneの乾癬治療薬 Otezlaは2018年10-12月期で448百万ドルの売り上げがあった。一方、Bristol-Myersも治療薬を開発しており、2018年9月に尋常性乾癬の中間臨床試験で良好な結果を発表している。
Bristol-Myers Squibbは4月15日、Celgeneを買収する計画に関する株主投票で、承認に必要な賛成票を確保した。一部の株主は買収価額に懸念を示していた。
合併後の売上高は約400億ドルに達する見込みで、Celgene買収により、Bristolが開発を進める治験薬は多様化する。売上高全体に占める割合が大きい抗凝固薬「エリキュース」とがん免疫薬「オプジーボ」への依存度は低下する。
Bristol-Myersは6月25日、FTCとの合意に基づき、FTCの懸念を弱めるため、Celgeneの乾癬治療 薬 OTEZLA®を売却することを発表した。
今回、Celgene Corporation はOTEZLA® (apremilast) をAmgenに現金 134億ドルで売却する契約を締結した。
この契約は、Brystol-MyersとCelgeneの合併FTCが承認することを条件としている。
Brystol-Myersは買収の完了にこれまで想定していた以上の時間がかかることも明らかにした。新たな目標は2019年末か2020年初めで、従来目標の9月30日から先送りされた。
Bristol-Myers は OTEZLA 売却収入を借入金返済に充てる。
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