韓国大法院(最高裁)は8月29日午後2時から、前大統領の朴槿恵被告、朴被告の友人の崔順実被告、サムスングループの実質トップである李在鎔 ・サムスン電子副会長らがかかわった国政介入事件の上告審判決を言い渡した。
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朴槿恵前大統領の控訴審判決公判が2018年8月24日、ソウル高裁であり、懲役25年、罰金200億ウォンを言い渡した。
検察は朴被告がサムスングループの経営権継承を支援する見返りにサムスンから433億ウォンの賄賂を受け取ったなどとして、懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑していた。
同高裁は崔被告にも懲役20年、罰金200億ウォンを言い渡した。一審判決より罰金が20億ウォン増えた。
2018/4/6 朴前大統領に懲役24年の実刑判決
朴槿恵前政権で起こった国政介入事件で朴前大統領と長年の知人の崔順実被告への贈賄罪などに問われ、一審で懲役5年の実刑判決を受けたサムスングループ経営トップのサムスン電子副会長、李在鎔被告らの控訴審判決公判が2018年2月5日開かれた。
ソウル高裁は地裁判決を破棄し、李被告に新たに懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。李被告は約1年ぶりに釈放された。
2018/2/5 サムスントップ釈放
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今回、最高裁は収賄罪などに問われた前大統領、朴槿恵被告の上告審のの懲役25年、罰金200億ウォンの実刑判決を破棄し、ソウル高裁に差し戻した。
最高裁は、朴被告の親友、崔順実被告への判決で、両被告は収賄の共犯関係にあったと指摘し、朴被告には収賄罪が成立すると判断した。
そのうえで、収賄罪の案件と別の罪の案件を分離しなかった点が法律違反に当たると判断した。公職選挙法上の賄賂の疑いと強要、職権乱用権利行使妨害の疑いは、分離して宣告必要があるが、下級審はすべての容疑をひとまとめにし、朴前大統領に懲役刑と罰金刑を宣告した。
最高裁は「公職選挙法によると、刑法に関わらず、大統領が在任中に職務に関して賄賂疑惑の犯罪を犯した場合、他の罪と分離して宣告しなければならない」とし、「原審は被告人に有罪と判断した特加法賄賂罪と他の罪について刑法38条を適用して一つ宣告された」と指摘、「最高裁が上告を棄却し、確定した部分を除いた残りの部分について再審理・判断しなければならない」との判断を示した。
また、朴被告は二審判決で李在鎔・サムスン電子副会長から受け取った賄賂額が約86億ウォンと認定されたが、李被告の判決では朴被告への贈賄額は約36億ウォンしか認めず、食い違っていた。
朴被告は起訴を「政治報復」と主張。一審途中から「裁判所への信頼はなくなった」として出廷を拒否してきた。
朴被告はこの日の起訴内容とは分離して審理された公職選挙法違反罪で懲役2年の実刑が確定しているほか、別の罪でも二審で懲役5年の実刑判決を受け、検察が上告している。
崔順実被告についても差し戻した。
李在鎔被告については、執行猶予付きの二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。
二審では、朴被告の収賄額は86億ウオンなのに李被告の贈賄額は36億ウオンとしたが、サムスンが購入した馬3頭の購入費を賄賂に含めるかどうかの差である。最高裁はこれも賄賂と認めた。
法律では、横領額が50億ウオンを超えると5年以上の懲役刑となっており、差戻し審で、李被告は量刑がより重くなる可能性、再び実刑判決になる可能性がある。
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