EV用電池のCATL、豪州のリチウム資源企業Pilbara Mineralsに出資

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豪州のリチウム資源企業Pilbara Mineralsは9月5日、36.5百万ドルの私募発行が完了したことと、中国・寧徳時代新能源科技(Contemporary Amperex Technology :CATL)に対して55百万豪ドル(持株比率8.5%) の株式発行を行ったことを発表した。鉱山開発や設備の拡張などを急ぐ。

現在の株主は次の通り。

Ganfeng Lithium(需要家:8.2%)、Mineral Resources (鉱山サービス:6.8%)、POSCO(需要家:4.4%)、
Vanguard Group(3.5%)、長城汽車(需要家:3.0%)

Pilbara Mineralsは西豪州の Pilbara地区で同社100%で Pilgangoora リチウム・タンタルProject を行っており、世界最大のリチウム原料メーカーの一つ。

Stage 2 ではわずか2億7000万ドルの投資で、現在200万トンの生産を500万トンへ増加する。これにより、リシア輝石6%コンセントレートを年30万トンから80~85万トンに増やし、タンタルのコンセントレートを年321千ポンドから800千ポンドに増やす。

製品は、Ganfeng Lithium(贛鋒鋰業)、General Lithium(江蘇容匯通用鋰業)、長城汽車、 POSCOなどが購入する。



Pilbara Minerals は このたび、POSCOとの間で、韓国に年産4万トンのリチウムハイドレートのJVを設立する契約を締結した。Pilbaraは21%を出資する。

POSCOは2018年2月、Pilbara Mineralsから年間3万トンのリチウムを生産できる分量の毎年最大24万トンのリチウム コンセントレートの供給を受ける長期契約を締結した。

同社は同年、アルゼンチンのリチウム塩湖の権益を確保した。

2018/8/31 韓国 POSCO、アルゼンチンのリチウム湖の採掘権を取得


CATL はEV用電池の世界最大手で、Toyota、BMW、Volkswagen、Honda などと良好な関係を持つ。

福建省に本拠を置き、三元系電池(NMC:LiNixMnyCozO2) 電池(N 50%、M 30%、C 20%)を生産している。

同社は2018年7月、独の中部チューリンゲン州に初の海外工場を建設すると発表した。独フォルクスワーゲンや独ダイムラー、仏 PSAなどの欧州メーカーに供給するためで、EV用のリチウムイオン電池の生産を2021年に開始する予定で準備を進めている。

この時点での投資額は2億4千万ユーロであったが、今般、最大18億ユーロまで7倍強に引き上げた。2026年までに100GWh規模の工場を建設する。

今回のPilbara Mineralsへの出資で、EV用電池の中核素材であるリチウムの安定調達につなげ、EV市場の世界的な拡大に備える。

CATL はPilbara の増設分のリシア輝石を購入し、増設計画を支援する。

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