国務院関税税則委員会は9月11日に対米追加関税対象商品の除外リスト第1弾、16品目を発表した 。
続いて、中国は9月14日、大豆や豚肉などの追加関税適用を除外するとともに、農産物を一定量購入することを決めた。
新華社は9月14日、下記の通り報じた。
中国国家発展改革委員会、商務部の関係者によると、中国は関連企業が市場化の原則と世界貿易機関(WTO)のルールに基づき、大豆や豚肉などの農産物を米国から一定数購入することを支持し、国務院関税税則委員会はこれらの購入に対して追加関税の適用を除外する。
米国はこのほど、10月1日から実施するとしていた中国製品への追加関税措置に対する調整を決定した。
トランプ米大統領は9月11日、2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の拡大を10月15日に先送りすると発表した。10月1日に税率を現在の25%から30%に引き上げる予定だった。
同日に中国が建国70周年を迎えるのにあたり、劉鶴副首相から要請を受けたという。硬軟織り交ぜて中国から譲歩を引き出す狙いとみられる。中国の関係部門は、中国の市場規模は大きく、米国の良質な農産物の輸入の見通しは明るいと表明。米国が約束を守り、両国の農業分野の協力に有利な条件を作り出すよう望むと語った。
大豆と豚肉の対米関税は次の通り。
基本関税 追加関税 合計 2018/7 2019/4 2019/9 大豆 3% +25% +5% 33% 豚肉 12% +25% +25% +10% 72%
なお、中国では豚コレラの影響で豚肉価格が急騰しており、海外からの豚肉調達が急務になっている。
報道では、中国の国営商社などが100万トンを超える米国産大豆を買い付けた。米輸出業者と約20の船舶を使って11~12月に出荷する契約を結んだ模様。
今後も中国の大豆購入は継続する見通しで、数回に分けて計500万トン程の成約が見込まれるという。
米農務省は9月13日、中国に輸出する米国産大豆 204千トンの買い付けがあったと発表した。
中国政府は10月初旬の閣僚級貿易協議を前に、米政権に歩み寄る姿勢を示したとみられる。
トランプ大統領は9月12日に協議事項を絞り込む「暫定的な合意」を検討する可能性に言及した。ブルームバーグ通信によると、米政権内部では中国が知的財産権保護と米農産品購入を約束すれば、制裁関税の税率引き上げを再延期することなどを検討したという。
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中国は米国の追加関税に対する報復関税をかけてきた。
2018/7/6 340億ドル 25% 2018/8/23 160億ドル 25% 2018/9/24 600億ドル
5%~25%2019/9/1 )750億ドル分 5%か10% 2019/12/5
中国政府は対米追加関税の適用除外制度を設けることを決めた。
国務院関税税則委員会は5月31日に、第1期の申請対象品目リストや申請事項、申請用ウェブサイトの操作マニュアルを発表した。
これら16品目には9月17日から2020年9月16日までの1年間、米国の通商法301条に基づく措置への対抗措置としての追加関税賦課を行わない。
リスト1の品目は、潤滑油、医療用X線機器、有機界面活性剤、小エビおよび稚エビ、アルファルファなど12品目で、すでに徴収した追加関税については還付される。
リスト2は、ホエイ(乳清)および調製ホエイ、潤滑油基礎油、離型剤、イソパラフィン溶剤の4品目で、これらについてはすでに徴収した追加関税は還付しない。
適用除外の審査は、主に次の3つの基準で行われた。
(1)企業が代替輸入先を探すのが困難、
(2)追加関税賦課が企業に明らかな経済的悪影響を与える、
(3)追加関税賦課が関係産業にマイナスの構造的影響を与える。
また、「稚エビやアルファルファ、離型剤など、国民の生活の質や産業発展に必要な品目が含まれたことは、中国政府が国民と在中国企業に責任ある対応をすることを示す」とされた。
今回発表された16品目には、企業からの適用除外申請総数の約3分の1に当たる約300件の申請があった。
同委は今後も続けて対米追加関税対象商品の除外作業を進め、後続の除外リストを適時発表するとしている。
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