サウジアラビア内務省は9月14日、Saudi Aramcoの東部の石油施設2カ所が無人機の攻撃を受け、出火したと明らかにした。
攻撃を受けたのはサウジ東部のアブカイク(Abqaiq)、クライス (Khurais)にある施設2カ所。現場近くには世界最大規模の石油処理施設や、油田がある。
15日までに火災は鎮火し、Aramcoは「攻撃にともなう負傷者はなかった」としている。
アブドルアジズ・エネルギー相は、日量570万バレル分の生産が減少したと明らかにした。これは世界最大の石油輸出国であるサウジの生産量のおよそ半分で、世界の石油供給の5%以上に相当する。
天然ガスも通常の生産の約半分に影響が出ている。
英紙はサウジ・エネルギー省に近い人物が「施設を強化し最大の能力まで高めるには数週間かかる」と述べたと報じた。
付記
原油の減産で随伴ガスも減り、サウジの石油化学各社は原料が削減されたと発表した。
SABICは49%削減、Yansabは30%、Saudi Kayanは50%としている。
Petro Rabigh はエタンガスが8%、原油が12.5%カットされたと発表。(西岸のため影響は少ない)
同社は9月24日、原油供給が通常水準に戻ったと発表した。
付記
サウジのエネルギー相は9月17日夜、以下の通り述べた。
・9月末までに日量1100万バレル、11月末までに1200万バレルに回復する。
・輸出には打撃が及ばなかった。
・9月も顧客に契約分を届けられる。
付記
SABICは9月26日、原料供給が通常レベルに戻ったと発表した。当初49%削減されたが、9月18日には30%カットになっていた。
同社は原料カットで損益に影響が出ていないとしている。
付記
サウジのエネルギー相は10月3日、アラムコの生産量が攻撃前の水準に回復したと述べた。
イエメンの親イラン武装組織フーシは、無人機(ドローン)10機によってサウジへの攻撃を実施したと発表した。
ただ、ポンペオ米国務長官は「無人機がイエメンから飛来した証拠はない」と述べ、イランが直接関与した可能性も示唆した。
イラン外務省は関与を否定した。
サウジ東部では8月17日に、サウジ東部シェイバー(Shaybah) 油田に無人機(ドローン)10機で攻撃、天然ガス施設がフーシ派の攻撃を受けたばかり。この時は石油生産に影響は出ていない。
サウジは軍事介入するイエメン内戦でフーシ派の後ろ盾イランと対立、緊張が高まっている。
週明け9月16日の原油市場で、国際指標の北海ブレント原油先物は日本時間同日朝の取引で、期近11月物が一時1バレル71.95ドルと前週末より11.73ドル(19%)上昇した。
ニューヨーク市場でも15日(日本時間16日早朝)の原油先物10月物の価格は1バレル63ドル台前半と先週末の終値より15%あまり上昇した。
トランプ米大統領は9月15日、原油価格への影響を踏まえ「必要なら戦略石油備蓄を放出することを承認した」とツイッターに投稿した。
Based on the attack on Saudi Arabia, which may have an impact on oil prices, I have authorized the release of oil from the Strategic Petroleum Reserve, if needed, in a to-be-determined amount sufficient to keep the markets well-supplied.
I have also informed all appropriate agencies to expedite approvals of the oil pipelines currently in the permitting process in Texas and various other States.
また、犯人は推定できるが、確認できればやっつける準備が出来ているが、サウジからの連絡待ちとしている。
Saudi Arabia oil supply was attacked. There is reason to believe that we know the culprit, are locked and loaded depending on verification, but are waiting to hear from the Kingdom as to who they believe was the cause of this attack, and under what terms we would proceed!
コメントする