米、対日貿易協定に署名へ 議会に正式通知

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トランプ米政権は9月16日、日本との貿易交渉で関税障壁に関する協定で合意に達し、数週間以内に署名すると議会に正式に通知した。
日米両首脳は下旬にニューヨークで開かれる国連総会にあわせた日米首脳会談で署名する見通し。
包括的な貿易協定は今後も交渉を続けるとしている。

米政権は議会への通知文で、段階を踏んで日本と交渉する方針を改めて明記し、そのうち「関税障壁に関する初期の貿易協定」で合意したこと、デジタル貿易でも合意したことを記した。
今後も包括的な貿易協定の交渉は続ける方針を表明した。サービス貿易や非関税障壁に関する議題は「第2段階」の交渉で取り上げる。

議会の承認作業を求めておらず、米国側は政府署名のみで発効手続きを済ませる。日本が臨時国会で承認すれば年内にも発効する。

米国連邦議会はサービスや知財を含む包括的な自由貿易協定としての日米FTAでないと承認しない姿勢である。

このままでは大統領選挙までに議会承認が得られない可能性が高いため、米国側は関税率5%未満の製品の関税撤廃・削減にとどめることで、議会承認を経ずに協定を発効させる。 (貿易促進権限法:通称TPA法の特例措置)

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日米首脳会談が2018年9月26日夕(日本時間27日朝)ニューヨークで行われ、安倍首相とトランプ大統領が「日米物品貿易協定(TAG:Trade Agreement on Goods )」の交渉入りで合意した。

2018/9/27 日米、物品貿易協定交渉へ、交渉中は自動車追加関税回避

首相は記者会見で、「まさに物品貿易に関する交渉だ。これまで日本が結んできた包括的なFTAとは全く異なる」と説明した。

しかし、日米共同声明は次の通りとなっており、これはFTAそのものである。

日米物品貿易協定(TAG)について 、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する。

上記の協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする。

2018/10/6 日米物品貿易協定について 

今回、米国側は今後も包括的な貿易協定の交渉は続ける方針を表明した。

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日米両政府は8月23日、3日間にわたって開かれた貿易交渉の閣僚協議を終え、茂木敏充経済再生担当相は大枠で合意したと明らかにした。

米国産牛肉や豚肉などの農産物への関税引き下げをTPP水準に抑える一方、日本が求めていた自動車関税撤廃は見送ることで一致。コメに設ける無関税枠は結論を先送りし、再協議する。

ポイント:

・ 一部農産物について、関税をTPP水準まで引き下げ。TPPよりも対象を絞る。

・ 米国産牛肉は38.5%の関税を段階的に9%に引き下げ。

・ コメに設ける無関税枠は結論を先送り、再協議する。(TPPでは米国に7万トンの無関税枠)

・ 米国産ワイン関税は引き下げや撤廃の対象にしない。

・ 日本から米国に輸出される自動車への関税撤廃は見送り。(TPPでは米国の自動車輸入関税 2.5%削減)

・ 多くの工業製品で関税を撤廃

「為替条項」については「為替の話が出ていないことだけは分かっている」(麻生財務相、8月27日閣議後会見)。


安倍首相とトランプ米大統領は8月25日、G7サミットにあわせてフランスのビアリッツで会談し、日米貿易交渉で基本合意した。トランプ氏は会談後の共同記者発表で「(9月下旬にニューヨークで開く)国連総会をメドに署名できるようにしたい」と語った。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、70億ドル以上の市場開放につながるとの考えを示した。

トランプ大統領は自動車の制裁関税について、「現時点ではない」としつつ、「私がやりたいと思えば、後になってやるかもしれない」とも述べた。

茂木外相は9月17日の記者会見で、通商拡大法232条に基づく日本車への追加関税は課さないことを改めて確認し、何らかの文書を作ると述べた。
2018年9月の首脳会談で交渉開始を決めた際には、交渉中は輸入規制の適用を見送ることで合意していた。


別途、安倍晋三首相は日米貿易交渉で、米国産トウモロコシの追加購入を約束した。日本が年間に輸入する飼料用トウモロコシの「3カ月分」に上る約275万トンに達する見通し。
米国の農家は中国との貿易摩擦の影響で輸出が急減しており、2020年の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領の支援となる。

首相は理由に害虫被害(葉につく)を挙げるが、実状は異なる。

飼料用トウモロコシは、国内生産は約450万トンで、葉や茎を砕いて実とともに利用している(牛や羊などに与える粗飼料)。 これで害虫被害が52市町村で確認されている。
(但し、実が成長してから害虫がついたため、実には被害はない)
輸入はトウモロコシの実(豚や鶏用)で、約1100万トン。うち95%が米国産。今回、これを275万トン追加輸入する。

被害を受ける国内のトウモロコシは追加購入するものと種類が異なり単純に代替できない。


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