サウジアラビアのサルマン国王は9月7日、Khalid Al-Falih エネルギー相を解任し、後任に Mohammad皇太子の異母兄であるAbdulaziz bin Salman 王子を任命した。
サウジは8月30日に国王令で省庁再編を行い、エネルギー産業鉱物資源省をエネルギー省と産業鉱物資源省に分割した。
エネルギー相にはAl-Falihが就任したが、1週間ちょっとでこれを解任された。
Khalid Al-Falihエネルギー相は2009年1月からSaudi AramcoのCEOを兼務しているが、これも解任された。
Al-Falih エネルギー相は1960年生まれで、1979年にSaudi Aramcoに入社し、2009年1月より社長兼CEOに就任した。
その後、2016年5月にエネルギー産業鉱物資源相にも就任した。ロシアなどOPEC非加盟国を広く巻き込んだ形での協調減産の枠組みを成立させ、世界の原油価格の下支えに大きく貢献するなど市場関係者の間で評価は極めて高かった。
解任された理由については明らかになっていないが、Mohammad皇太子が強引に進めようとするAramcoのIPOに対して、Al-Falih エネルギー相が積極的に協力しなかったからだとする説が有力とされている。
参考 2019/9/2 サウジアラムコ、東京への上場を再検討
後任のエネルギー相のAbdulaziz bin Salman王子(1960年生まれ)はエネルギー省で数十年にわたって勤務 、経験豊富で有能なテクノクラートと評価されている。2017年からエネルギー担当国務相 (Minister of state for energy affairs) をしている。
1960年にこのポストができて以来(当時は石油相)、王族が就くのは初めてである。専門分野の知見が必要だったためだが、Abdulaziz 王子はこの分野で豊富な経験を持っており、王族の中では例外である。2017年にはエネルギー担当国務相となり、OPECの会合にも常時参加しており、国際的な人脈を保っている。
1985年生まれのMohammad皇太子とは年齢がかなり離れており、親しい関係にはないとされる。
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産業鉱物資源相には実業界の Bandar Alkhorayef が就任した。
Saudi AramcoのCEOには、Aramcoの取締役で、サウジの政府系ファンドのPublic Investment Fund (PIF) のトップのYasir Othman Al-Rumayyan氏が指名された。
Mohammad 皇太子の主要な助言役を務めている。
PIFはAramcoの100%株主である。
Aramcoは2019年3月27日、SABICの株式の70%をPublic Investment Fund から691億ドルで買い取ることで正式に合意したと発表した。
2019/3/30 Saudi Aramco、SABIC株式の70%を取得
今回の人事をまとめると、下記の通りとなる。
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