米政権、加州の排ガス規制阻止へ

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トランプ米大統領は9月18日、カリフォルニア州が連邦政府よりも厳しい自動車排ガス規制を独自に導入する権限を米環境保護局(EPA)が剥奪する方針を ツイッターで確認した。


The Trump Administration is revoking California's Federal Waiver on emissions in order to produce far less expensive cars for the consumer, while at the same time making the cars substantially SAFER.
This will lead to more production because of this pricing and safety advantage, and also due to the fact that older, highly polluting cars, will be replaced by new, extremely environmentally friendly cars.

There will be very little difference in emissions between the California Standard and the new U.S. Standard, but the cars will be far safer and much less expensive.
Many more cars will be produced under the new and uniform standard, meaning significantly more JOBS, JOBS, JOBS!

Automakers should seize this opportunity because without this alternative to California, you will be out of business.

トランプ政権は9月19日、カリフォルニア州が独自に自動車排ガス規制を導入し、無公害車の販売を義務付ける権限を剥奪すると発表した。 EPA長官は声明で、自動車業界に必要とされる明確な規制を全米レベルで確実にすることが目的と説明した。

新たな指針は数日中に正式に公示され、公示日から60日後に施行される。

チャオ運輸長官は、トランプ政権が数週間中に2026年までの排ガス規制基準の改正を取りまとめる見通しとし、オバマ前政権下で定められていた自動車の燃料基準は緩和され「妥当な」基準になると述べた。

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米国では、Clean Air ActによりEPAが燃費の基準を決めるが、カリフォルニア州はEPAにより適用除外(waiver)が認められており、連邦政府の燃費規制よりも厳しい基準をを決める権限を与えられている。

米国の大気浄化法(Clean Air Act)209条は、カリフォルニア州が連邦の規制より厳しい独自の規制を制定する権利(法的優先権: preemption)を認めている。

大気浄化法は、原則として、新車に係る排出ガス規制においては州法に優先する

ただし、例外として、1966330日に先立って採択された新車排出ガス規制を有する州に対しては、waiver(権利放棄)条項により独自の規制権限を認めている。
その場合、州独自の当該基準は、全体として、少なくとも連邦基準
と同程度に厳格なものでなければならない

カリフォルニア州は、1966年に全米で初めて自動車排ガス中の一酸化炭素CO及び炭化水素HCの規制を行った実績がありwaiver条項により自動車排ガスの独自規制を課す権利を認められた唯一の州である。オバマ政権下の20096月、EPAはカリフォルニア州のGHG排出基準に係るwaiver申請に対して承認を与えた (その前のブッシュ政権は申請を認めなかった。)

大気浄化法は、他の州にも一定の要件を満たした上でリフォルニア州基準を採用することを許容している

このカリフォルニア州規制には、ニューヨーク州、ペンシルバニア州など13州とワシントンD.C.が即座に追従した。


米国では、2011年1月に、2016 Model Year の Light-duty vehicleのCO2排出量を250g/mile、CAFE燃費を35.5 mpg(15.1km/L)とする規制が発効した。

オバマ政権は2012年8月28日、54.5 mpg の燃費規制を正式に発表した。

Combined Cars & Trucks 燃費 mpg

2011/1規制

2012 2013 2014 2015 2016  
30.1 31.1 32.2 33.8 35.5
 

2012/8規制

2020 2021 2022 2023 2024 2025
40.0 41.7 46.8 49.4 52.0 54.5

トランプ米政権は2018年8月2日、オバマ前政権下で定められた自動車の燃費基準を撤回すると発表した。
カリフォルニア州などが独自に定めていた燃費規制も廃止に向けた交渉を始めるとした。

2018/8/8 トランプ政権、車燃費基準を撤回


カリフォルニア州は2025年までに、同州での自動車販売に占める電気自動車(EV)や無公害車の比率を引き上げることを目指している。その他10州もカリフォルニア州の動きに追随する方針を示している。

カリフォルニア州とFord Motors、Honda、BMW、Volkswagen のメーカー4社は2019年7月、2026年まで毎年3.7%ずつ燃費改善を目指す独自の規制で合意した。2026年までに1ガロン当たり平均51マイル以上という州規制を導入する。クレジットの追加による電気自動車(EV)への置き換え支援、排ガス低下技術を導入した企業へのインセンティブ提供、電力生産における上流工程での温室効果ガス排出の要件緩和などを含む。

ホワイトハウスは今回の合意について「どこか1つの州ではなく、連邦政府が基準を定めるべきだ。われわれは全ての国民に利する連邦の基準の取りまとめを進めている」とコメントした。

司法省はこの合意が反トラスト法に違反したかどうかを判断する予備調査として、4社に書簡を送付した。

2019/9/10 米司法省、カリフォルニア州との環境自主基準巡り ホンダなど4社を調査 

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政権の動きに対し、カリフォルニア州は州政府の権限や環境問題対策などでトランプ政権に対抗する構えを鮮明にしており、大規模な法廷闘争につながる可能性がある。
政権高官は、訴訟になれば最高裁の判断に委ねられる可能性があると述べている。

政権がカリフォルニア州の権限を剥奪したことを受け、同州を含む米23州は9月20日、決定の撤回を求め提訴した。

訴訟はカリフォルニア州が主導し、ニューヨーク、ミシガン、コロラド、イリノイ、ニュージャージー、マサチューセッツなどの22州が参加している。



自動車の燃費規制が州によって異なるのは本来好ましくない。メーカーは厳しい基準に合わせる必要がある。

Clean Air Actの場合、「1966330日に先立って採択された新車排出ガス規制を有する州に対して」、その規制が全国基準より厳しい場合にはそれを採用するのを認めるのは分かる。

しかし、その後についてもその州に新たな独自の基準を認める理由はない。

現在の最高裁の裁判官構成からみると、政府決定の撤回は認めないと思われる。

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