米民主党、Trump大統領の弾劾調査開始へ

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Trump大統領が、2020年の大統領選挙で政敵となる可能性があるBiden 前副大統領の調査をウクライナ大統領に求めたことと、圧力をかけるため(?)同国への軍事支援を止めたことが明らかになった。

米メディアは、米情報機関当局者が8月、Trump氏が海外首脳との電話で「不適切な約束」を交わしていたとの内部告発をしていたと伝えていた。

情報当局者が監察官に内部告発した。
米連邦法は監察官が告発内容について「緊急の懸念だ」などと判断した場合には議会に対して7日以内に報告する義務がある。監察官は告発内容が議会報告に値すると判断している。

しかし、国家情報長官代行が内部告発の内容について報告を拒否した。

民主党のペロシ下院議長は報告拒否を「法律違反だ」と断じ、最終責任はTrump大統領にあるとしている。

Trump大統領は9月24日、7月に行ったウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談前に同国に対する約4億ドル規模の支援を保留するよう指示したことを確認した。
しかし、野党民主党の有力候補と目されるBiden前副大統領に打撃を与えることを目的にウクライナに圧力を掛けたとされる疑惑は否定した。

ペロシ下院議長は24日、下院が大統領の正式な弾劾調査を開始すると発表した。「トランプ大統領はこれまで、著しい憲法違反の行動をしてきた」と述べ、「下院は正式な弾劾調査を進める」と言明した。「トランプ大統領は説明責任を果たさなければならない。誰も法を免れない」とも語った。

これに対し、Trump大統領は、民主党の動きを「魔女狩りのたわ言だ」とツイッターで述べた。

Such an important day at the United Nations, so much work and so much success, and the Democrats purposely had to ruin and demean it with more breaking news Witch Hunt garbage.
So bad for our Country!

大統領は、ウクライナ大統領と行った7月25日の電話会談の全記録を公表するとツイートした。

Secretary of State Pompeo recieved permission from Ukraine Government to release the transcript of the telephone call I had with their President.
They don't know either what the big deal is.

A total Witch Hunt Scam by the Democrats!

ホワイトハウスは9月25日、電話の記録を公表した。Biden親子に言及し、捜査するよう明確に求めている。

(President)

There's a lot of talk about Biden's son, that Biden stopped the prosecution and a lot of people want to find out about that so whatever you can do with the Attorney General would be great. Biden went around bragging that he stopped the prosecution so if you can look into it... It sounds horrible to me.

大統領の弾劾手続きは以下の通り。

下院委員会が証拠があるかどうかを決める。
証拠ありの場合、下院が訴追するかどうかを過半数で決める。
上院で2/3以上の賛成で罷免 
 

共和党 民主党 無所属 未確定 合計
上院 53 45 2 100
下院 198 235 1 1 435

上院無所属は民主系、下院無所属は共和党離脱

参考 下院議員の推移

  共和党 民主党 無所属 未確定 合計
2019/1 199 235 1 435

North Carolina-No.9 未確定

7/4 198 235 1 1 435

Justin Amash議員 共和党離党

9/10 199 235 1 0 435 North Carolina-No.9 Dan Bishop当選
9/23 198 235 1 1 435 共和党 Sean Duffy議員 辞職


ーーー

米主要メディアは、Trump大統領が7月25日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した際、同国への軍事支援と引き換えに、来年の米大統領選の民主党の有力候補であるBiden前副大統領の息子、Hunter Biden氏をめぐる疑惑の調査に協力するよう繰り返し要求していたと伝えた。

Trump大統領は、Biden氏が副大統領だった2016年に、息子が役員を務めるウクライナ天然ガス会社の捜査をしていたウクライナの検事総長を解任するよう同国に要請していたと主張している。要請には息子をかばう狙いがあった疑いがあるとし、この疑惑を調査しているTrump氏の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長に協力するよう要求したとされる。

事態は以下の通り。

2014年時点で、当時のBiden 副大統領は、ウクライナの民主政権がロシアの攻勢を防ぎ、不正を撲滅しようとしているのを支援する最前線にあった。

2014年2月に親ロ派のViktor Yanukovych大統領が追放され、オバマ政権はウクライナの新政権との関係を深め、Biden 副大統領はそれを主導した。

Biden 副大統領の息子のHunter Bidenが2014年4月にウクライナの天然ガス会社Burisma Holdings の取締役に就任した。 月収5万ドルもの報酬で、「米政府へのパイプ役を期待してのもの」とも指摘されている。Obama政権は、Hunter Bidenは一般市民であり、利益の相反はないとしていた。

Burisma Holdings はクリミアで天然ガスの掘削をしていたが、クリミヤはViktor Yanukovych大統領の追放後、ロシアに併合された。

Hunter Bidenの就任後、不正追及派の間で Burisma Holdings がオバマ政権の影響力を得ようとしているのではないかとの疑惑が生じた。

しかし、Hunter BidenはBurisma Holdingsのために父親の影響力を使ったことを否定し、2019年初めまで取締役を務めた。

ウクライナでは不正は続いた。本年5月にZelenskiyが新大統領に就任した。政治経験はないが、不正行為を終わらせるという大胆な約束をした。

現在、Joe Biden 前副大統領は2020年の大統領選で民主党の候補のトップを走っている。

Trump大統領は本年7月、ウクライナの大統領にBiden親子に関する不正を調査するのを支援するよう要求した。前のウクライナの検事総長がHunter Bidenを調査していたが、Biden 副大統領が彼をクビにするよう要求したと述べた。

Biden は汚職の捜査に消極的だった検事総長の解任を要求した。当時、欧米各国がこの検事総長を問題視していたとされる。

ウクライナの現在の検事総長は、Biden親子の不正の証拠はないとしている。

大統領個人の弁護士のRudy Giuliani 元ニューヨーク市長もウクライナの役人にBiden親子を調査することを公然と求めた。

8月29日になって、Trump大統領が7月にウクライナ大統領に要求する1週間前に、同国への軍事支援3億9100万ドルを保留するよう首席補佐官代行に求めていたことが明らかにされた。

米議会はウクライナがロシアの侵略行為に抵抗するための支援を承認していたが、政権高官によると、大統領や国防長官や当時のボルトン大統領補佐官らが、政府が精査する間は支援金の支払いを保留する可能性について6月頃から話し合いを始めていた。その後、7月に大統領が大統領首席補佐官代行に支払いの保留を指示したという。

9月に入り、資金はウクライナ側に渡された。

政権高官は支払い保留について、支援金が適切なものか、また同盟国も十分に貢献しているかを巡ってTrump氏が懸念を持ったことが背景にあるとした。

Trump大統領は記者団に対し、対ウクライナ支援保留の決定について「交換条件はなかった」と強調し、米国だけでなく欧州諸国も援助すべきと考えたことが理由と説明した。

一方で記者団に対し、「汚職について取り上げることは極めて重要だ」と述べ、「汚職について話し合わないのであれば、なぜ腐敗していると考えられる国に資金を差し出すだろうか?」と続けた。

別の政権当局者は、支払い保留はウクライナへの支援の広がりが他国に十分に広まっていないことや、同国の汚職問題が理由だと内輪では伝えられていたと述べた。

ウクライナ大統領らと面会した民主党の上院議員は、「彼らは、Biden一家の調査に当時乗り気ではなかったことを理由に、Trump氏がウクライナへの支援を停止していると気をもんでいた」と述べた。

ーーー

米上院外交委員会会長(民主党)は行政管理予算局局長に書簡を送り、Trump政権が対ウクライナ支援を保留していた問題の調査に乗り出すよう要求した。ウクライナに対する安全保障に絡む支援の見直しや支援を保留する理由を巡り議会は通知されていないと強調。Trump大統領がウクライナ当局に圧力を掛けていたことが「明白になりつつある」と主張した。

政敵となる可能性があるBiden氏の調査をウクライナ大統領に求めたことと、その時点で軍事支援を精査するようすでに命じていたことの関連性を巡っては、今後、米議会で激しい追及が繰り広げられるとみられる。

 

上院は9月24日、政権に対し、内部告発の内容を上下両院の情報特別委に直ちに送付するよう求める拘束力を持たない決議を全会一致で採択した。

下院のペロシ議長と民主党院内総務は、内部告発の公表を阻止しようとする政権の取り組みに議会が反対であることを明確にするとともに内部告発者を守る必要性についての決議の採決を25日に行う計画を明らかにした。

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