英首相、Brexitの最終代替案提示

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ジョンソン英首相は10月2日、マンチェスターで4日間の日程で開催された与党・保守党の年次大会を締めくくる演説を行い、メイ前首相がまとめたEU離脱案の核心部分を大幅に変更する代替策を明らかにした。

10月17、18両日のEU首脳会議での承認(満場一致の賛成が必要)を目指す。

政府高官は「これが英国からEUへの最後の提案だ」と強調、EUが拒否するなら、政府は「合意なき離脱」の道を選ぶと圧力をかけた。

英議会は、17~18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる法律を可決している。首相は法律に従うことを約束したが、英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することに変わりはないと主張している。約束を破ることなく、合法的にこの法律を回避する方法を模索していると報じられている。

また、新たな合意にこぎつけても、議会を通過させる難題がある。与党は議会での過半数を失っている。

首相は最終提案Juncker委員長に送 り、電話会談を行った。

Juncker委員長は提案を歓迎する一方で、「さらに取り組む必要がある問題点がまだ幾つかある」と述べ、受け入れへの懸念も指摘した。ハード・ボーダー(物理的な国境施設)」回避やEUの単一市場保護といった国境問題解決に必要な条件を挙げ、「すべてを満たす法的に運用可能な措置が必要だ」と強調した。 英国とEUの交渉担当者間で今後協議を進める。

今回の提案のポイントは以下の通り。

◎離脱協定案にある「Backstop」は削除

英国は自由貿易協定をベースとしたEUとの将来の関係、つまり規制措置や貿易の問題を独自に決めることができるようになることを欲しており、EUと関税同盟で緊密に結び付いて多くの分野でEUの法令に縛られるのを望んではいない。

EU制限物質が北アイルランド経由でアイルランドに入るのを防ぐために、以下の手段を取る。

移行期間が終わった後は、北アイルランドは農産品と工業製品について、EUの基準に従う。英国から北アイルランドに入ってくる農産品は、英当局が(英本土側の)検査場所で、EUのルールに基づいて検査や書類作成などを行う。 (英国内の本土と北アイルランドの間の移動が自由でなくなる:英国側の譲歩)

その結果、北アイルランドからアイルランドに入る製品は検査する必要がなくなる。

アイルランドから北アイルランドに入る物品については、英国は同等の検査をしない。

北アイルランドとアイルランドのすべての物品の動きは申告制にする。


◎最も重要な点として、Belfast (Good Friday) 協定と両立する解決策であること

アイルランドと北アイルランドとの境界に何らかの検問所や管理施設ができれば、1998年のベルファスト和平合意の精神が損なわれかねない。

◎EU加盟以前からの英国とアイルランドの関係の維持

◎アイルランド全島の同一規制ゾーン化

北アイルランドを含めたアイルランド島全体を1つの規制ゾーンとし、全ての工業品や農産品が対象になる。

「これによって北アイルランドの規制体系は確実にEUと同一化され、北アイルランドとアイルランド間の貿易に関する全ての検査がなくなる」。

◎この規制ゾーン実現は関係者の同意が必須となる。

北アイルランドの自治政府と議会には、EU離脱の移行期間中とその後4年ごとに、こうした枠組みを承認する機会が与えられる。
(4年後に延長しない場合、どうするのか? 紛争再発のおそれも)

◎英国の関税同盟離脱

2020年末の移行期間の終了とともに、北アイルランドはEUの関税同盟を脱して、完全に英国の関税圏に入る。

◎通関

移行期間の後、英国とEUは異なる関税領域になるため、アイルランドと北アイルランドの境は通関国境になるが、この国境で通関検査と管理を行う必要がない。

北アイルランドとアイルランドのすべての物品の動きは申告制にする。

ごく一部の物品の動きの検査が、貿易業者の近辺か、アイルランドもしくは北アイルランドの指定された場所で行うこともある。

以上のような取り組みは、信頼される貿易業者のスキームと単純化した通関手続き、一時的許可などの措置で支えられる。


政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)は本案に賛意を示したが、他党は反対している。

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