米民主党大統領候補 Elizabeth Warren 上院議員

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トランプ米大統領は10月3日、2020年大統領選の民主党候補にElizabeth Warren 上院議員 (1949/6/22生まれ)が選出されることも想定し、準備していることを示唆した。

首位のバイデン前副大統領がウクライナ疑惑を抱えるなか、ウォーレン上院議員が急速に支持を広げている。

バイデン元副大統領自身の不正の証拠はないが、副大統領として接触したウクライナと中国での息子の行動はやめさせるべきであった。疑念を持たれること自体が問題である。

米政治専門サイト RealClearPolitics は10月8日、来年の大統領選に名乗りを上げた民主党候補の支持率に関する各種世論調査の平均でウォーレン上院議員が26.6%となり、バイデン前副大統領(26.4%)を抜いて初めて首位に立ったことを明らかにした。3位は今月初旬に心筋梗塞で一時入院したサンダース上院議員(14.6%)だった。

Elizabeth Warren は、かつてテキサス大学法学部、ペンシルベニア大学法学部、ハーバード・ロー・スクールで教鞭をとっていた。連邦倒産法を専門とする著名な学者であり、商法の分野で特に有名であった。
積極的な消費者保護論者であり、消費者金融保護局の設立に貢献した。オバマ大統領のもと、大統領補佐官および、消費者金融保護局のアメリカ合衆国財務長官顧問となった。

裕福なエリート層のためにある「不正に仕組まれたシステム」を打倒すべく出馬した。「権威主義と腐敗した資本主義」が組み合わさることで米国がクレプトクラシー(支配階級が民衆の資金を横領して私腹を肥やす政治体制)に陥りかねないと警告している。

出馬表明前の2019年1月、資産額5000万ドル超の米国人に対し富裕税を課すこと提案した。純資産が5000万ドルを超える部分に年間2%の税金、10億ドルを超える部分については年間3%の税金を支払うよう求める。

4月には新法人税を提案した。大きな収益を上げている超大手企業に新たに7%の税を課すことを提案している。向こう10年で法人税収が約30%増加する措置となる。

2月の選挙集会では、「気候変動は真実だ。グリーン・ニューディール政策を支持する」と述べた。再生可能エネルギーへの巨額投資計画に賛同するとしている。

2019年3月8日、ブログサイトに「巨大ハイテク企業を解体する方法(Here's how we can break up Big Tech)」と題する記事を投稿した。文中ではAmazon、Google、Facebook をやり玉に挙げているが、翌日のインタビューでAppleも追加し、GAFAすべてを対象にしている。

内容は以下の通り。

1990年代、連邦政府が独占禁止法に違反したとしてマイクロソフトを訴え、最終的に和解に達したことで、GoogleやFacebookのようなインターネット会社が出現する道が開けた。競争促進が重要である。

今日の巨大ハイテク企業は大きな力を持ち過ぎている。

二つの手法が問題で、対策が必要。

① 競合の買収

Facebookは「Instagram」や「WhatsApp」を、Amazonはオムツ販売サイト「Diapers.com」を、Googleもオンライン広告会社である「DoubleClick」を傘下に収めてきた。

競合買収の規制や、過去に遡及しての買収許可の取り消しが必要。

② 「マーケットプレイス」や「プラットフォーム」の悪用

売買の場を提供しながら、自らもそこで販売している。マーケットプレイス上で自社を有利に扱うことで、そこに参加する第三者のビジネスを阻害している。

年間売上高が250億ドル以上でプラットフォームを提供する企業を「プラットフォーム公共事業体(Platform Utilities)」と定義し、そのプラットフォームにプレーヤーとして参加できなくするという立法措置を行う。その事業を切り離すことを求める。

Facebook のザッカーバーグ最高経営責任者は本年7月、従業員に対し、ウォーレン上院議員が大統領に当選した場合、議員が推進するフェイスブックの解体計画を阻止するため「全力で戦う」と発言していた。

「ウォーレン氏が当選すれば当社は間違いなく法的な課題に直面するが、確実に勝利すると確信している。それでもこの問題が当社にとって最悪かと問われれば、それは最悪だ。なぜなら私は自分の国の政府を相手に大規模な訴訟などしたくないからだ」。

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