ユーラシア経済同盟、シンガポールとFTAを締結、イランとは3年限定のFTA 

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ロシアが主導し、旧ソ連の5カ国で構成する自由貿易圏「ユーラシア経済同盟 (EEU)」は10月1日、シンガポールと自由貿易協定(FTA)を締結した。

ロシアのプーチン大統領は「シンガポールは信頼できる安定したパートナーだ」と協力拡大に意欲を見せた。シンガポールのリー・シェンロン首相は保護主義に対抗するためにもFTAが重要だとの認識を示した。

東南アジアとのFTAはベトナムに次いで2カ国目となる。


ユーラシア経済連合(EEU)は2019年5月17日、イランとの時限的自由貿易協定(FTA)、中国との貿易経済協力協定に調印した。カザフスタンの首都アスタナで開催されているアスタナ経済フォーラムに併せて調印式が行われた。

イランの3年間限定での時限的FTAは10月27日に発効する。

優遇税率の対象品目について、EEU側は食肉、油脂製品、菓子、金属製品、化粧品、電気・機械設備を、イラン側は野菜・フルーツやドライフルーツなどの食品、建材、食器、じゅうたん、非鉄金属を挙げている。工業製品の平均関税率について、EEUは8%から4.7%に、イランは22.4%から15.4%に軽減し、農産品はそれぞれ9.6%から4.6%、32.2%から12.2%に引き下げる。


中国との貿易経済協力協定に関して、EEUを主導するロシア政府は「EEU・中国との協力の法的な基礎になるもの」と説明している。

今回の協定締結で関税の引き下げ・撤廃は発生しない。衛生・植物検疫、通関手続き、電子商取引、知的財産保護、政府調達、反独占・競争政策など幅広い分野での協力や、中国政府が主導する「一帯一路」政策とEEUとの連携、技術・資源・資本分野などでの共同事業の創設が想定されている。


ロシアのウラジミール・プーチン大統領と中国の習近平国家主席は2015年5月8日、ユーラシア経済連合と中国の一帯一路構想を連携させるとする共同声明を発表した。

2015年5月29日にはユーラシア経済連合は初の自由貿易協定をベトナムと締結した。

2013年3月にロシア、ベラルーシ、カザフスタン3ヵ国の関税同盟との間で交渉が開始され、2014年12月の第8回交渉で妥結した。
2015年1月のEEU発足に伴いアルメニア、キルギスが加わり、同年5月、両国が正式署名した。

同年10月5日に発効した。ベトナムとEEU双方は品目ベース、貿易額ベースともに約90%の関税が撤廃される。


EEUは、
エジプトやインド、イスラエルなどともFTAを交渉中。

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ロシア、カザフスタン、ベラルーシの首脳は2011年11月18日、ユーラシア経済同盟に関する文書に調印した。

ユーラシア経済同盟は、2012年3月のロシア大統領選に立候補を表明し大統領職復帰が確実視されているプーチン首相が10月に創設を提唱、まず3カ国で経済統合を進め、旧ソ連中心の地域統合「ユーラシア同盟」につなげようとのプーチンの長期的外交戦略実現の第一歩になる。

最終的には統一経済圏の創設へと移行する。

2012年1月1日から3国の圏内では、統一経済圏を形成する17の合意が発効するが、それとともに関税タリフ政策、関税調整がスタートする。
共通の国境を形成するなかで、具体的なタリフ政策、自然独占、通貨および信用貨幣政策の調整が新たな方向性となってくる。

2011/12/2 ユーラシア経済同盟 

ロシアのプーチン大統領は2014年5月29日、カザフスタンとベラルーシ両国の首脳とともに「ユーラシア経済同盟 Eurasian Economic Union」を正式発足させる条約に署名した。
1億7000万人以上を抱える貿易圏を通じ、米国やEUに挑む。

ユーラシア同盟は2015年1月に発足するが、2014年10月10日、アルメニアの参加が正式に決まった。
キルギスタンも2014年12月に参加した。

国名 署名日
ロシア 2014年 5月29日
ベラルーシ 2014年 5月29日
カザフスタン 2014年 5月29日
アルメニア 2014年10月10日
キルギス 2014年12月23日

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