大正製薬、光触媒マスクで消費者庁に審査請求

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大正製薬は10月1日、「光で花粉やウイルスを分解する」とうたう光触媒マスクを巡り、消費者庁から「根拠がない」として景品表示法違反(優良誤認)の再発防止命令を受けたが、処分を不服として同庁に審査請求した。

光触媒は、光を当てると有機物質を分解する効果があるとされている。

消費者庁は7月4日、大正製薬とアイリスオーヤマ、玉川衛材の4社に再発防止命令を出した。

光触媒を使用したマスクの販売事業者4社に対し、4社が供給するマスクに係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(優良誤認) が認められたことから、措置命令を行った。

大正製薬の「光の力で分解するマスク」はあたかも、本件3商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、本件3商品に含まれる光触媒の効果によって、表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌、ウイルス及び悪臭の原因となる物質を化学的に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしている。

消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、4社に対し、それぞれ、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、4社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった。

しかし、大正製薬によると、同社はマスクに花粉を添加して一定時間光を当てた試験結果を提出していた。花粉が分解されて濃度が減少し、効果があったとしている。

大正製薬によると、消費者庁は同社の主張に対し、独自の実験を実施した。
花粉を載せた8センチ四方のマスクを容器に入れ、蛍光灯を48時間照らし、分解された場合に生じる二酸化炭素(CO2)の増加量を測定し、CO2が増えなかったとして、「光触媒では花粉などの有害物質は分解されない」と結論付けたという。

大正製薬は「『花粉をCO2に分解する』とは表示していないのに、CO2の濃度で効果を判断したのは不合理」と反論。
さらに、消費者庁の試験手法では測定できるCO2の量は極めて少なく、花粉の分解の有無までは判断できないとしている。

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大正製薬の製品紹介(2013年9月発売)

パブロンマスク365は、従来のマスクの機能に加え、光触媒<V-CAT>をマスク表面に塗布した高機能マスクです。

豊田中央研究所が開発した光触媒<V-CAT>が、マスク表面に付着したウイルス・細菌・花粉などのミクロ粒子を分解します。
太陽光のみならず、室内光(蛍光灯やLEDなど)でも高い分解反応を発揮するのが大きい特長です。ウイルスや細菌はもちろん、花粉アレルゲンや臭いも分解します。

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