トルコ大統領、トランプ 大統領の手紙を「ごみ箱へ」

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トルコのエルドアン大統領が、同国によるシリア北部進攻の停止を求めるトランプ大統領からの手紙をその場で「ごみ箱に」捨てていたことが明らかになった。


トランプ大統領が10月6日にシリア北東部からの米軍撤退を発表すると、トルコは9日、クルド人民兵組織「人民防衛部隊」が支配するシリア北部への進攻を開始した。

トランプ大統領は9日付の書簡で「タフガイの真似はするな。馬鹿な真似はするな!」と書き、即時停戦を求めた。


取引をしよう! あなただって何千人もの人びとを虐殺する行為の責任を負いたくはないだろうし、私もトルコ経済を崩壊させた責任を負いたくない。でも、そうする。我が国のAndrew Brunson牧師を拘束したときにも、ちょっとした例をお見せした。

Andrew Brunson はキリスト教福音派の牧師で、20年以上トルコに在住していたが、2016年にクーデター未遂事件に関与したとしてテロ関連の罪に問われ、トルコ当局が拘束した。
釈放を要求するアメリカ合衆国との間で、国際問題化するきっかけとなった。
トランプ大統領は、釈放しなければトルコに「大規模な制裁」を発動すると警告した。
米財務省は2018年8月1日、トルコの法相と内相を経済制裁対象に指定した。

2018年10月12日に釈放された。

世界をがっかりさせるな。(クルド人の民兵組織の)Mazloum 司令官は交渉を望んでおり、これまで決してしなかった譲歩もするつもりだ。

この局面を正当かつ人道的なやり方でのり切れば、歴史はあなたを好意的に見ることになる。しかし、そうでなければ、歴史はあなたを悪魔とみることになる。Don't be a tough guy! Don't be a fool !

I will call you Later.


しかしエルドアン大統領は「停戦宣言などしない」と述べ、この働きかけに応じない姿勢を示した。
これについてエルドアン氏に近い関係者はBBCに対し、「エルドアン大統領は書簡を受け取り、要請内容を徹底的に拒絶し、ごみ箱に捨てた」と明かした。

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ペンス米副大統領は、即時停戦を直接交渉するため、トルコの首都アンカラで17日、エルドアン 大統領と会談、軍事作戦を5日間「一時停止」することで合意した。

しかし、トルコ側は、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」が同地域から完全に撤退するまでは「停戦」しないとしている。

YPGは、トルコ南部と国境を接するシリアで活動しており、アメリカ軍の支援を受けてイスラム過激派組織 IS の掃討に貢献した。

トルコの狙いは、同国がテロ組織と認定しているYPGの戦闘員を安全地帯から完全に排除すること だが、トルコの一連の動きは、クルド人に対する民族浄化だとの批判も出ている。

クルド人勢力はアサド政権への接近を模索している。IS の復活も懸念される。

トランプ大統領の米軍撤収などのシリア政策には、IS 掃討で米軍に協力してきたクルド人への裏切りだなどと与党共和党からも批判の声が上がっている。

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