米 Amgen、中国バイオ企業BeiGene に27億ドル出資

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米医薬品大手 Amgenは10月31日、中国のバイオテクノロジー会社、百済神州(BeiGene)の株式20.5%を現金約27億ドルで取得すると発表した。

Amgen はBeiGeneと提携して世界2位の医薬品市場である中国での抗がん剤事業を拡大する。

AmgenのCEOは「がん治療薬を中国で展開する上で、中国に販売や臨床研究の基盤を持つベイジーンは強力なパートナーとなる」と強調した。


BeiGeneは研究開発ベースで癌に特化したバイオテクノロジー企業で、開発部門に600名を抱える。

BeiGeneのパイプライン https://www.beigene.com/sites/default/files/2019-08/BeiGene Pipeline_8.13.19.pdf

FDAは2019年1月、BeiGeneの開発後期のBTK 阻害剤zanubrutinib について、成人のマントル細胞リンパ腫患者の2 次療法をBreakthrough Therapy に指定した。

BeiGeneは、中国で非扁平上皮非小細胞肺がんの第一選択治療として、化学療法と併用したtislelizumabの第3相試験を開始したと発表した。

BeiGeneと米のCelgeneは2017年7月5日、BeiGeneが開発中の免疫チェックポイント阻害薬BGB-A317の開発・販売に関する戦略的提携契約に合意した。Celgeneは米国、欧州、および中国以外のアジアで、2018年に固形癌患者を対象とする大規模臨床試験を開始する。
しかし、Bristol-Myers SquibbによるCelgene買収が決まったことを受け、BeiGeneは2019年6月17日、国際的な提携を終了することで合意したと発表した。CelgeneはBeiGeneに1億5000万ドルを支払う。

2019/1/9 ブリストル・マイヤーズスクイブ、米バイオ製薬大手セルジーンを買収


今回の提携の内容は下記の通り。

・ BeiGeneの株式20.5% の取得  取得株価は36%のプレミアム

・ BeiGeneは中国でAmgenの3つの製品を販売する。利益と費用を折半する。

XGEVA® (denosumab) 癌転移による骨損傷(SRE)の予防薬 2019/9に中国で販売開始
KYPROLIS® (carfilzomib) プロテアソーム阻害剤(多発性骨髄腫の治療薬)
2013年にAmgenが104億ドルで買収した
Onyx Pharmaceuticalsの製品
中国でPhase 3 trial
BLINCYTO® (blinatumomab) 再発あるいは前駆B細胞急性リンパ芽球性白血病(前駆B細胞ALL)を対象

このうち、1剤は5年後、1剤は7年後にAmgenに戻す。
BeiGene は期間終了後も他の1剤は販売を続ける権利を持ち、Amgenに戻した製品についてもその後の5年間は販売ロイヤリティを受ける。

・ Amgen とBeiGene はAmgenの革新的な癌治療薬パイプラインのうちの20品目を中国及び全世界で進めるよう協力する。

BeiGeneはグローバルな研究開発コストを負担し、これらの薬を進めるため12.5億ドルを支出する。

Amgenはこれら製品の中国外での販売についてロイヤリティをBeiGeneに支払う。
但し、固形腫瘍治療薬として研究されているAmgenの画期的なKRASG12C inhibitor(AMG 510)は除く。

・ 開発中の20品目について、AMG 510を含め、BeiGeneは 発売後7年間、販売権を持つ。
 その後、AMG 510を除き、6年間の販売の権利を留保する。

権利がAmgenに戻るまでの間、両社は中国での利益を折半する。権利がAmgenに戻ってから5年間はAmgenはBeiGeneに販売ロイヤリティを支払う。

・ Amgenは癌以外の薬を引き続き中国で販売する。

本年初めに心臓発作のリスクを下げるLDLコレステロール低下剤のRepatha® (evolocumab)を発売した。
このほか、閉経後の骨粗鬆症のリスクを下げるProlia® (denosumab)などを7~8年内に中国で販売する計画である。

・ XGEVA, KYPROLIS、BLINCYTO及びその他の癌治療薬はAmgenの既存のプラントで生産する。

・ AmgenはBeiGeneに取締役を1人派遣する。

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